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安心・安全ナビ:子供に人気の携帯電話の無料オンラインゲーム…

 ◆子供に人気の携帯電話の無料オンラインゲーム。急増中のトラブルとは。

 ◇アイテム購入、高額請求 ゲーム面白くする道具…「有料」意識薄く

 ◇親が注意し管理 閲覧制限の利用も

 携帯電話をインターネットに接続して遊ぶ「無料オンラインゲーム」を巡るトラブルが相次いでいる。ゲーム自体は無料だが、子供がゲームで使う有料アイテムを購入するなどし、携帯を貸した親が料金を請求されるケースが目立っている。

 「小学生の娘が『無料で遊べる』というので携帯電話のゲームを利用させていたら、電話会社から5万6000円を請求された」。今年3月、地元の消費者センターに相談した北関東在住の親は、娘が1着数千円もするキャラクターの着せ替え衣装を大量購入していたことに、がく然とした。娘は「お金がかかるとは思わなかった」と話した。

 携帯電話のゲーム市場は拡大を続けている。総務省によると、08年の市場規模は869億円で、5年間で3・2倍に急増した。同省コンテンツ振興課は「数千円のソフトを買って遊ぶゲーム機に比べ、安さや手軽さが売り。若年層を中心に、今後も利用は増えるだろう」と予測する。

 人気に比例してトラブルも多発している。国民生活センターが09年度に初めてまとめた携帯電話やパソコンの「無料オンラインゲーム」に関する相談件数は全国で552件。全体の4割近くは未成年のトラブルで、小中学生が143件に上る。

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 無料ゲームで、なぜ料金が問題になるのか。そもそも携帯電話はネットに接続すると、定額制に加入していなければデータ量に応じ通信料(パケット料)が加算される。また有料のアイテムを買い足せば展開が面白くなる設定のゲームが多く、子供は料金が高額化していくのを忘れがちだ。

 業界側も、改善に動き出している。携帯電話のゲームなどを提供する287社で作る社団法人「モバイル・コンテンツ・フォーラム」(MCF、東京都渋谷区)は1月、会員企業に「無料」を強調する広告表現はやめるよう通知した。それを受け、テレビCMで「一部有料」を示す文字を目立たせる事業者もある。

 だが、利用者には依然「無料」の印象が強く、改善通知後も課金トラブルの相談は続いている。MCFの岸原孝昌常務理事は「状況が変わらなければ、今後も関係者間で協議し、必要な対策を講じていきたい」と話す。

 国民生活センターが勧めるトラブル防止策は、保護者がゲームの利用規約に目を通し、どのような場合に料金がかかるかを確認して子供に伝えることだ。有料サービスに入る際に必要な暗証番号を教えないのも有効だが、暗証番号が不要な電話もあるので注意が必要。閲覧制限の「フィルタリング」機能を使い、サイトへ接続できなくする方法もある。同センターは「保護者が適切に管理してほしい」と呼び掛けている。【田中裕之】

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 ■携帯電話の「無料ゲーム」を巡る相談例

 ◇09年4月 大阪府

 中学生の息子がコミュニティーサイトで知り合った人から「無料」のゲームサイトを紹介され、登録した。その日に解約したが、そのサイトから「8万円を支払え」と架空請求のメールが届いた。

 ◇09年7月 長崎県

 小学生の息子がテレビで無料というCMを見て、勝手にサイトにアクセスした。後日、2カ月分で9万円のパケット料を請求された。

 ◇09年7月 和歌山県

 高校生の娘がゲーム内で知り合った人からいろいろと勧誘されている。アイテムを無料でもらったりしているので断りにくいようだが、心配だ。

 ◇10年2月 北海道

 未就学児の息子がゲーム内で大量のアイテムを購入し、10万円超を請求された。有料サービスを受けるには暗証番号が必要なはずだが、以前に親が番号入力するのを見ていて覚えていたようだ。

 ※国民生活センター資料などによる

毎日新聞 2010年6月9日 東京朝刊

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