市民運動家の青年が30年余の時を経て、首相となった。4日、民主党の新しい“顔”に選ばれ、第94代首相に選出された菅直人氏。政治とカネ、米軍普天間飛行場問題の迷走…、政権交代の熱は冷めた。「この国を立て直す」。政策調査会復活宣言で「脱小沢」をアピールし、“全員参加”を求める。信頼を呼び戻すことができるのか。国民が手腕を見詰める。普天間の返還・移設問題で、名護市辺野古移設を踏襲することに、名護市からは「地元の反対の声を聞いて」などと切実な声が上がる一方、米国との再交渉にわずかな望みを託す声も。「米国にものの言える首相に」と期待する声もあるが、「辺野古ありき」の姿勢には「誰が首相でも同じ」など期待を裏切った民主党政権へ県民は冷静な視線を向ける。
<名護市>冷めた目 不信“感”
【名護】ヘリ基地反対協議会の大西照雄代表委員は「菅新首相は辺野古移設を盛り込んだ日米合意の継続を言っている。アメリカと対等に話せる内閣なら希望があるが、新しい内閣に変化は期待できず望むことは何もない。国民の力で辺野古移設反対の運動を継続していく」と力を込めた。
12日に辺野古の事務所に新しい看板を設置して活動を本格化させるという、辺野古有志会代替施設安全協議会の許田正武共同代表は「鳩山首相が決めた日米合意をバトンタッチしたのだから、しっかりとやってほしい。閣僚もスピーディーに動ける人で、地元にも足を運んで現状を判断できる人を選んでほしい」と要望した。
名護市宮里の安田和男さん(69)は「基地問題ではもう一度アメリカと交渉して、共同声明を見直すべきだ。名護市民や県民は県内移設に反対しており、それをしっかりととらえるのが民主主義だ。住民の意思を尊重してほしい」と願いを込めた。
同市川上の肥後真由美さん(45)は「鳩山さんより筋が通っている感じがするので、希望を託したい」と話した。
<県内>米国にもの言える首相に
菅新首相の誕生に大城春江さん(73)=那覇市=は「沖縄の基地問題は誰が首相になっても同じ。何も期待していない」と切り捨てる。「イメージ刷新を図るのであればもっと若い人が良かった。米国にものを言える首相になってほしい」と語った。
宮平修さん(56)=自営業、那覇市=は「真っ先に取り組むべき問題は、宮崎の口(こう)蹄(てい)疫問題と経済対策。しかし今日の演説を聞いても、菅さんは何も具体的なことは言っていない」と指摘。鳩山内閣の路線を継承することを踏まえ「民主党政権自体に期待できない」と話した。
普天間基地の県外・国外移設を求めた4・25県民大会共同代表の高嶺善伸県議会議長は「鳩山首相は『最低でも県外』と言って辺野古に回帰した責任を取って退陣した。県民の思いは辺野古反対ということを受け止め、頭越しに協議を進めないでほしい。菅氏は環境問題を重視する政治哲学を持っているので、ぜひ辺野古沖の埋め立てを見直してほしい」と要望した。
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