CNBCに興味深いコラムが。『ブラック・スワン』の著者でありトレーダーでもあるナシーム・ニコラス・タレブ氏によると、ウォーレン・バフェットが投資で成功した要因が、本当に彼の実力によるものであって運が良かったからではない・・・ということを証明するだけの、十分な根拠はないのだという。
「バフェット氏よりも、むしろジョージ・ソロス氏のほうが、運ではなく本物の実力で成功したのだと証明しうる統計的な証拠が200万倍多い。私は決してバフェット氏が無能だと言っているわけではない。ただ、バフェット氏の成功が幸運のせいだけではないことを証明するだけの十分な証拠がないのだ。」
何万人という投資家のサンプルを集めて、株式や債券などの売買をさせれば、バフェット氏並みのリターンを上げる投資家が、必ずひとりやふたりは出てくるものだ―タレブ氏は、同じく彼の著書である『まぐれ』では、このようにも述べている。
タレブ氏の言う通り、バフェット氏が株式投資で上げてきた華々しい成果の「原因」について、実力によるものなのか、運が良かっただけなのかを厳密に知ることは不可能だ。ただし、自分も、バフェット氏が過去に売買した株式銘柄を見ていて、一瞬だけど、あれっ?と思ったのを思い出した。バフェット氏がまだ25歳のとき、子会社の損失が発覚して暴落していたアメリカン・エクスプレス社の株式を、大金を投じて購入したことがある。このエピソード、今となっては、「天才投資家ならではの大胆な逆張り投資戦略」として喧伝されているけど・・・もし、このとき、アメックス社の株価が、このままズルズルと下がり続けていたとしたら・・・バフェット氏は、今と同じだけの投資収益を上げられただろうか?
« | このブログのトップへ戻る |
»
※このブログは個人の情報収集を目的として運営されているものであり、投資アドバイスや特定の金融商品などの購入を推奨する意図はありません。その記事の内容から生じるいかなる損失に対しても責任は負いかねます。投資は自己責任でお願いします。