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柔道講習会で脳出血、元部員と家族が全柔連など賠償提訴

 柔道の講習会中に急性硬膜下血腫を発症し、寝たきりになった大阪府茨木市の私立金光大阪高校の元柔道部員・高瀬啓太さん(18)と家族が9日、「安全配慮を怠った」として、学校側と講習会を主催した財団法人「全日本柔道連盟」(全柔連、東京)などを相手に約3億7500万円の損害賠償を求め、大阪地裁に提訴した。

 訴状などによると、高瀬さんは2007年7月25日、体調不良で練習を早退。その後、練習を休んでいたが、同28日、同府吹田市で開かれた講習会に参加し、模範演技後に頭痛を訴えた。柔道部の顧問は会場に来ておらず、友人の連絡で駆けつけた母親が119番。高瀬さんは病院に運ばれたが、意識不明となり、現在も回復していない。

 原告側は「顧問は、体調不良だった高瀬さんが、適切な受け身を取れないことを予測できた」などと主張。全柔連については「(講習会に)医療関係者を立ち会わせるなどの措置を怠った」としている。

 提訴後、記者会見した高瀬さんの両親は「二度と事故を起こさないためにも、学校は問題を分析する義務がある」と話している。

 同校は「訴状を受け取っておらず、コメントは控えたい」、全柔連は「訴状の内容を確認し、誠実に対応したい」としている。

2010年6月10日  読売新聞)
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