◇地検が２度不起訴

　鹿児島県鹿屋市の元女子中学３年生が「校長にわいせつ行為を受けて心的外傷後ストレス障害（ＰＴＳＤ）になった」として、市や元校長（５９）を相手に計１５００万円の損害賠償を求める訴訟を鹿児島地裁に起こした。

　訴状によると、元生徒は０７年４月ごろから校長室で体を触られたり、同６月中旬にはドライブに連れ出され車内でわいせつ行為をされたとしている。元生徒側は「信頼していた校長からわいせつ行為をされ、夜も眠れず傷は一生癒えない。市は校長への指導を怠った」と主張している。

　元校長は「身に覚えがない。裁判でも同様の主張をする」とし、市教委も「提訴自体聞いておらずコメントできない」と話した。

　元生徒と両親は０７年１０月、元校長を強制わいせつ容疑で県警鹿屋署に告訴。鹿児島地検が０９年２月、嫌疑不十分で不起訴処分にした。鹿児島検察審査会は「（女子生徒の）供述に変遷はあるが信用できる」として不起訴不当を議決し、鹿児島地検は１０年３月、再び嫌疑不十分で不起訴にしている。【川島紘一】