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口蹄疫――万全な対策と農家支援充実へ(1面)【2010年5月2週号】

 宮崎県で発生した口蹄疫(こうていえき)の早期終息に向け、国・県の口蹄疫対策本部を中心に懸命な防疫対策が続く。発生農場を中心に移動・搬出制限区域が設けられ、九州各県の家畜市場が閉鎖している。ただ、発生地域周辺では疑い事例の発生が続き、14日現在、患畜・疑似患畜は86事例・8万257頭に上る。殺処分の終了は37事例・3万9398頭と約5割にとどまる。防疫措置の遅れが指摘されていたが、赤松広隆農相は10日、東国原英夫知事との会談で人員増派を表明。実施体制を強化し、まん延防止に全力を挙げている。当面の生活、農業経営の運転資金の確保などが要望され、農林水産省は経営安定対策の要件緩和や特例措置など支援を打ち出している。赤松農相は「必要な追加対策は今後も打ち出していく」としている。
 
100520_01.jpg 「残念ながら数は増えているが、約3キロ以内のところでとどめている。専門家からは今の方式を徹底してやることが重要との意見がある。飛び火しない限り、この方式でしっかり進める」と赤松農相は11日、閣議後の記者会見で述べた。
 口蹄疫の疑似患畜の発生が確認された4月20日以来3週間以上たった13日も、川南町を中心に10事例の疑似患畜が発生。地元農家は「なぜ終息しないのか」「殺処分など防疫措置が遅れている」――などと不安やいら立ちを募らせている。
 農林水産省では「被害の発生状況から、空気伝播よりは接触感染での感染拡大の可能性が大きい。移動・搬出制限区域を設定し、人や車両・農場などの消毒の徹底・衛生管理が図られる中、疑似患畜の殺処分など着実に進めていけば、封じ込めの効果はこれから出てくる」(消費・安全局動物衛生課)とする。口蹄疫には潜伏期間があり、防疫措置の効果が現れるまで時間差がある。「発生地域を拡大させず、迅速・確実に封じ込めなければならない」(同)としている。
 農林水産省は、同省や全国の都道府県からの獣医師派遣を100人規模に倍増。同省職員の派遣も10人から100人に増やす方針。畜産関係団体も呼びかけに応じている。農林水産省や都道府県などから宮崎県への人的支援は14日現在、合計327人に上る。
 家畜市場の閉鎖、出荷停止などの影響で農家の経営は厳しくなっている。農林水産省は、資金対策で融資額・対象枠の拡大や経営安定対策の要件緩和などを打ち出した。
100520_02.jpg 当面の資金対策では、法定伝染病の発生で被害を受けた生産者に低利資金を融通する「家畜疾病経営維持資金」の融資枠を、20億円から100億円に拡大し、対象区域を搬出制限区域内まで広げた。殺処分後の新たな家畜を導入するときに交付金を支払う「家畜防疫互助基金」制度(2分の1が国費)の加入を呼び掛ける。
 経営安定対策では、「肉用子牛生産者補給金制度」の飼養開始月齢を2カ月齢未満から4カ月齢未満に、「肉用牛肥育経営安定特別対策(新マルキン)」の登録月齢は14カ月齢未満から16カ月齢に緩和。対象区域は宮崎・鹿児島・熊本・大分(以下4県)の全域まで広げた。移動・搬出制限区域内の生産者に限り、新マルキンの生産者拠出金を免除する。
 家畜共済では、九州各県のNOSAI団体を対象に、家畜共済の掛金納入の猶予など特例措置を実施するよう通知した。家畜市場が閉鎖された後に共済掛金期間が満了する場合は、満了日から閉鎖が解除された後60日までを支払い猶予期間とする。掛金を分納している農家で、家畜市場の閉鎖で収入が減少した場合は、掛金支払いが遅れても共済金を支払うとした。

(1面)

写真上中:赤松農相(左)と東国原知事(右から2人目)との会談。早期終息に向けた対策、県家畜改良事業団の種牛の避難、農家の心のケアへの対策など要請(10日、知事応接室)〉
写真下左:畜産農家の代表者は、経済的にも精神的にも限界に来ている切実さを訴え、一日も早い終息への対策を求めた(10日、宮崎市内)〉

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