楽天−中日 4回裏に4失点し、舌を出しながらベンチに戻るバルデス=Kスタ宮城で(小嶋明彦撮影)
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◆楽天4−1中日
快投していたバルデスが急転、沈んだのは4回。3四球で走者をため、2連続2点タイムリーで一気に4点を失った。
降板後、悔やんだのは勝負球だった。「4回は勝負所でボールが甘くなってしまった…」。四球もヒットも、すべて2ストライクまで追い込んでのものだった。余計に悔しいKOだ。
粘られ、根負けした。中村紀にはファウルで5球粘られた。11球を投げ、最後は四球。「力のあるバッターだから、警戒してチェンジアップを投げすぎたのかもしれない」。中村紀は抜群の選球眼の持ち主。誘い球につられなかった。
他の打者にも同じように粘られた。カット、カット…。粘りきれず、四球を出したり、甘く入った。球数はどんどん増えていった。この1イニングだけで53球も費やした。マウンドにひたすら立たされ続けた。結局、トータル95球となり、5回以降は救援に譲った。
成長の跡も見せた。140キロ台後半の速球で押した3回までは無失点。前回2日のオリックス戦も6回まで無失点。立ち上がりの不安は克服した。苦手だったクイック投球も板についてきた。4回、安打で出した鉄平の二盗を阻止したのだ。
大柄で、顔つきもちょっと怖い。荒っぽそうに見えるが、実は繊細な面も。沖縄キャンプ中だった2月8日に誕生日を迎えたとき、報道陣から特大ケーキを贈られ、「こうやって祝ってもらったのは初めてだ。この日のことは一生忘れない」と大感激していた。
ナイーブな右腕はこの日、日本の打者の粘っこい攻めに屈した。だが、一つずつ苦手を克服してきた。「チャンスがあれば、またがんばりたい」。熱心に学ぶ姿勢は変わらない。セ・リーグ再開後も必ず力になる。 (生駒泰大)
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