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【ドラニュース】


落合監督「きょうから開幕」

2010年6月10日 紙面から

楽天−中日 7回表無死、中越えにプロ初ホームランを放ち、裏の守備の前にファンの声援に応える新井=Kスタ宮城で(小嶋明彦撮影)

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 あ〜、貯金消滅−。中日は9日の楽天戦(Kスタ)に敗れ3連敗。ついに貯金も吐き出し、5月2日以来の5割逆戻り。そんな中、かすかな光は5年目、新井良太内野手(26)。7回に永井から完封負けを阻止するプロ1号。首位・巨人とは7・5差。ここが踏ん張りどころ!

 劣勢を挽回(ばんかい)しようと、ただ必死だった。センター方向に打ち上げた新井が、全力疾走で二塁を回った直後だった。視界に入ったのは塁審が手を回す姿。プロ初アーチを実感した瞬間だった。4点差を追う7回、永井の2球目直球をフルスイング。高く舞い上がった打球は失速することなく、そのままバックスクリーンに飛び込んだ。

 「ほかの選手はみんな1号を打っていたので少し焦ってはいました。1本目が出たことはうれしいです。1本目が出なければ次はないですから」。入団5年目、通算96打席目。阪神・新井の弟で大型野手として期待された男が苦労の末に放ったプロ1号。だが、反撃ムードに火は付かなかった。打線は6安打の楽天を上回る9安打を放ったが、ブランコが4打数無安打に終わるなど永井を最後まで攻略できず、新井のソロによる1点のみ。貯金も使い果たし、5月2日以来の勝率5割に逆戻りした。首位・巨人との差も今季最大の7・5ゲーム。追いかける背中は遠のくばかりだ。

 最後の打者も、くしくも新井。試合終了と同時にベンチ裏に引っ込んだ指揮官は「明日から開幕と思え。5割だろ? 明日から開幕と思えばいいんじゃないか」と、笑みさえ浮かべ、帰りのバスに乗り込んだ。こんなチームの窮地こそ、チャンスととらえ奮起すべきは、新井ら若い野手陣だろう。

 パ球団主催の今週末までの3試合はDH制があり、今後もスタメン出場のチャンスがある。「ホッとするという感じはありません。自分はまだまだ(1軍の)当落線上の選手ですから」と気を引き締め直した新井。正念場であり、勝負どころの60試合目。仕切り直しの“開幕戦”が始まる。 (中谷秀樹)

 

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