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三味線名取カメルーン人はW杯日本代表通

 来日16年になるカメルーン人、プロドラマーのワッシー・ビンセント・ジュニアさん(46)が13日、祖国の子どもにサッカーボールをプレゼントするチャリティーコンサートを在住する埼玉県草加市で行う。ワッシーさんは三味線に魅せられ、修業を重ねて02年に名取「富士松ワッシー」となった日本通。サッカーW杯代表も、カメルーン選手より「本田はとてもいい。稲本、憲剛、阿部のテンポもいい」とやたらとサムライブルーに詳しかった。

 プロのミュージシャンの勘なのか、ワッシーさんが日本代表について語りだした。「ピッチ上での選手の動きは、それこそ音楽だ。強引だけど本田のミドルシュートは踊れるよ。稲本のスペースを突くパスは突然出てくる。(中村)憲剛のノールックも相手のリズムを崩せる。阿部のロングパスは一気に攻撃を元気にさせるね」。サッカー視点ではなく、すべて音楽的なテンポで分析。日本代表にやたらと詳しい。ちなみにカメルーン代表は「そんなの分からないよ。だって、日本で見ることができたのは引退したエムボマぐらいじゃないの」と、ちょっとふくれてみせた。

 来日から16年。「草加のワッシーさん」と市民の間では有名人だ。NHKからも取材を受け、10日には「こんにちはいっと6けん」(関東ローカル)で、13、14日も「首都圏ネットワーク」(同)で、それぞれ日本に住むカメルーン人として紹介される。

 30歳のとき、知人に誘われて初来日。ホームステイ先のおじいさんがつま弾いた三味線に衝撃を受けた。「単調なリズムやビートじゃなかった。ゆっくりとした旋律だけど、音色が泣いていた。追い求めていたブルースだった」と振り返った。2人で掛け合いをする三味線の流派「新内(しんない)」に弟子入りするため東京・深川に通った。6年後の02年、修業を重ねて名取「富士松ワッシー」となった。

 現在は音楽教室で子どもらにドラムを教え、ライブ活動では三味線も披露している。09年12月、W杯組み合わせで日本とカメルーンが1次リーグE組で一緒になると、ワッシーさんは「同組になったのはきっと何かの縁。ミュージシャンを集めて、W杯前夜祭をやりたい。収益金はすべて草加市とカメルーンの子どもたちにボールを贈る」と宣言。賛同する人が集まり、事務局をつくってくれた。

 ワッシーさんは「サッカーも三味線も同じ。単調な旋律ではなくて、ちょっと外す。裏を突くと驚きや感動がある。日本代表はうまい選手が多い。リズムをわざと崩せば相手も驚くもんね」と話した。最後に「私はどっちが勝ってもいい。逃げないで面白い試合を見せてほしいね」と笑いながら、ばちで三味線の弦を弾かせた。【寺沢卓】

 [2010年6月10日8時43分 紙面から]


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