匿名で「狙われている」高槻被害女性電話

　大阪府高槻市の淀川堤防で４月２９日、ポリ袋に詰められた同府豊能町の宇野津由子さん（３６）の遺体が見つかった死体遺棄事件で、宇野さんが事件前の４月１６日夜に豊能署へ匿名電話をかけ「狙われている」などと話していたことが９日、捜査関係者への取材で分かった。

　豊能署や捜査関係者によると、電話を受けた当直署員は、相手が名乗らなかったため一般的な相談と判断。事件発覚後に電話の内容を上司らに報告し、宇野さんの携帯電話の記録を調べたところ、本人からの電話だったと判明した。

　匿名の電話があったのは４月１６日午後９時ごろから約３０分間。養子になっていることを伝えた上で「置いてきた荷物を勝手に捨てられたらどうなるのか」と質問したほか、「自分は狙われている」とも話した。

　宇野さんは２月ごろに養父母と養子縁組し、その後に死亡時の受取金が約２１００万円の共済型保険に加入していたことが判明。高槻署捜査本部は、関係者らから事情を聴くなどして捜査を進めていたが、養父（３９）は５月、京都府内で自殺しているのが見つかった。

　豊能署は「対応に問題はなかった」としている。（共同）

　［2010年6月9日13時8分］