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電機大手の韓国・LG電子は9日、来年までに日本国内のテレビ市場に本格参入する方針を明らかにした。3D(3次元)テレビを含めた幅広い商品の販売を検討している。国内は日本メーカーがほぼ独占しているが、世界第3位メーカーの参入で、国内勢の脅威となる可能性もある。
主に30型前後から50型以上の大型機種までの投入を検討。3Dテレビや、画面を照らす部品にLED(発光ダイオード)を使った最新の液晶テレビも販売する。LG関係者によると、今年の年末商戦での発売も視野に入れている。価格は国内メーカーと同程度を想定している模様だ。
日本市場でLG電子は、直近では2005年から小型テレビ2機種を販売したが、日本勢のブランド力にかなわず08年に撤退した。今は、日本で携帯電話や洗濯機、パソコン用のモニターなどを販売する。
「ブランド浸透の足がかり」と位置づける携帯電話の販売も徐々に伸ばしており、日本でも一定の知名度を得たと判断。世界的には韓国・サムスン電子、ソニーに次ぐシェアを持つまでに成長し、機能的にも高い評価を得つつあることから、再挑戦に踏み切る。(稲田清英、五十嵐大介)
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LG電子(LGエレクトロニクス) 1958年設立。LGグループの中核企業で、サムスン電子に次ぐ韓国第2の電機メーカー。薄型テレビの世界シェアは昨年、2位ソニーとわずかな差の3位で、携帯電話は世界3位。家庭用エアコンなど白物家電のシェアも高い。今年1〜3月期の連結売上高は約13兆7千億ウォン(約1兆円)。
新興市場の開拓に積極的。イスラム教徒が多い中東などでメッカの方向を表示する携帯電話を売り出すなど、生活習慣や文化に合わせた商品開発にも力を入れる。