ブラザーの中国工場でもスト

　中国・西安にあるブラザー工業の２工場でストライキが発生し、工業用ミシンの生産が約１週間にわたって停止していることが９日、分かった。２工場の計約９００人の従業員が賃上げや待遇改善などを求めているという。

　ブラザーによると、ストは全額出資子会社「兄弟ミシン（西安）有限公司」の２工場で３日午後に発生。うち１工場では同日中に生産が再開されたものの、４日朝から再びストップするなど状況は混乱している。スト収拾と１０日の操業再開を目指した労使協議が９日に開かれたが、折り合いがつくかは不透明だ。

　ブラザーグループの売上高に占める工業用ミシン事業の比率は３・７％で、操業停止状態が長引いても「連結業績への影響は限定的」（広報・総務グループ）だが、取引先との信頼関係を損なえば思わぬ痛手を負いかねない。

　日系有力企業の中国拠点では、ホンダの４工場が複数の系列部品工場の相次ぐストの影響で、自動車の最終生産過程が混乱。ホンダは９日、中国広東省の系列部品工場で起きたストの影響で、同省広州市の完成車生産２工場の操業を９〜１０日停止すると発表した。