中日−西武 7イニングを3安打、無失点と好投した川井=ナゴヤドームで(榎戸直紀撮影)
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勝てなかった。でも、完全に軌道に乗った。今季3試合目の登板となった川井が西武を相手に7イニングを3安打無失点。あのころよりも成長した背番号17がマウンドにいた。
「とにかく低めを意識して投げました。その結果だと思います。ただ、もうちょっと球数を少なくしないといけない」
7イニングでジャスト100球。反省は忘れなかったが、見た目は手も足も出させなかった。二塁を踏ませたのは3回の1死二塁だけ。最初のピンチも片岡の三直&二塁走者の飛び出し併殺で乗り切った。前回以降、「決め球が甘くなっていたから」とフォームを微調整。その効果はあった。
試合前から好投は約束されていたのかもしれない。西武打線は4番・栗山以外、ズラリと右打者を並べた。左対右はセオリーだが、実は川井は右打者が得意。今季はこれで対左打者の被打率4割に対して対右打者は被打率1割9分6厘。間違いなくナチュラルでスライドする右打者を食い込む“まっスラ”が効果的。「そんな意識はないんですけどね。右でも左でも1人1人集中しただけ」と笑うが、“追い風”にはなった。
「去年、勝っていたときとはひと味違うかもしれない。勢いだけで勝っているのと少し違う。それだけ成長したと見ればいいんじゃない」
試合後、落合監督は合格点を与えた。開幕11連勝、交流戦4勝。華々しい昨年と違って今年はまだ3試合で1勝だが、昨年とはひと味違う。「余裕はないけど、去年とは違うと思います」。交流戦が終われば6連戦が続くリーグ戦、川井の力は確実に頼りになる。 (兼田康次)
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