背中の違和感で出場選手登録を抹消されている中日・吉見一起投手(25)が8日、ナゴヤ球場で遠投を再開した。9日にブルペン入りして週末の2軍戦で実戦復帰を予定しているという右腕は1軍復帰に向けて気合十分。リーグ戦が再開する18日からの巨人3連戦(東京ドーム)での復帰が見えてきた。
見た目には普段と変わらない。何事もなかったかのように白球を投げ込む背番号19がいた。背中の違和感で戦列から離脱した吉見が故障後初の遠投を披露。6月18日から始まる首位・巨人との3連戦での復帰に向けた第一歩を踏みしめた。
「全然ダメです。感覚的なものですね。やっぱ久々に投げると…」
アップ、キャッチボールを終えて外野で始めた約50メートルの遠投。終わった直後の表情はさえなかった。求めるレベルには達していなかったのだろう。ただ、遠投中の患部については「投げているときは問題ないです」とキッパリ。さらにこうも続けた。「これから(状態を)上げていきますよ」。自らが描く復帰プランを明かしたのだ。
9日からはブルペン投球を再開。そして週末に行われるウエスタン・リーグ、オリックス戦(ナゴヤ球場)で実戦復帰したいという。「こっちで投げたいというのは伝えました。短いイニングを考えています」。登板予定は12、もしくは13日。“試運転”のちょうど1週間後、待っているのは最大の敵との3連戦だ。
「巨人戦? 最終的に決めるのは上ですけど、そのつもりでやっています」。今年1月、巨人との対戦について「いままではどこが相手でも一緒だと思っていた。でも今年は違う。巨人を倒したい。巨人を倒さないと優勝できない」と発言していた。何としても打倒・巨人。ブルペン投球、2軍戦登板を経て、最高の状態で巨人戦に向かいたいというのが本音だ。
現在、首位・巨人とのゲーム差は6・5。「そんなに開いたんですか」。こうつぶやいた。離脱した焦りはあるが、まだ取り返せる。6・5ゲーム差とはいえ、まだ追いつき追い越せる。何としても万全の状態で巨人封じへ。アクシデントに見舞われたエースが急ピッチで状態を上げていく。 (兼田康次)
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