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米国:89歳名物女性記者「引退」 反イスラエル発言で批判受け

 ◇ホワイトハウス最前列中央が指定席

 【ワシントン草野和彦】最古参の米ホワイトハウス担当記者で名物女性コラムニストのヘレン・トーマスさん(89)が7日、引退を発表した。「イスラエル人はパレスチナから出ていけ」との発言が批判を浴びたため。歴代米政権のイスラエル寄りの中東政策を批判してきたが、最後は舌禍でメディア界から姿を消すことになった。

 AP通信によると、トーマスさんは先月27日、ホワイトハウス前で独立系の映画製作者にイスラエルについてコメントを求められ、その動画がインターネットで流れた。イスラエル人はどこに帰るべきかとの質問には、「ポーランドでもドイツでも米国でも、どこへでも(帰ればいい)」と発言した。ポーランドとドイツでは第二次世界大戦中、ナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺(ホロコースト)が行われた。

 トーマスさんは今月4日、自身のホームページで「発言を深く後悔している」と謝罪。相互尊重を必要とする中東和平に関する自身の信念を反映していないと弁明した。だが7日、ギブス大統領報道官が発言を「攻撃的だ」と非難。ホワイトハウス特派員協会も「弁解の余地がない」との声明を出した。

 トーマスさんはレバノン系移民の家庭に生まれ、1943年に通信社UPIに入社。60年からホワイトハウス担当となり、ケネディ大統領以降の歴代米政権を取材。00年から米紙ハーストの専属コラムニストになった。ホワイトハウス記者席の最前列中央が「指定席」で、ブッシュ前大統領に対してイラク戦争の責任を追及。オバマ大統領にもイスラエルの核問題について説明を求めるなど親アラブ的な立場をとっていた。

毎日新聞 2010年6月8日 東京夕刊

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