投壊はオレが救う!広島・前田健太投手(22)は8日、マツダスタジアムでの投手練習に参加し、先発予定の9日・ロッテ戦で「連敗を止める」と闘志をむき出しにした。前夜は25被安打21失点の屈辱的大敗。練習には休日予定の野村謙二郎監督(43)も姿を見せ、直々にゲキを飛ばした。
◇ ◇
逆境の中でこそ燃えるのが前田健の真骨頂だ。「とにかく連敗を止める。僕の投げる試合は全部、勝つと思って投げるだけ」。鯉投の崩壊を目の当たりにしても、若きエースは揺るがない。むしろ負けん気に火が付き闘志をむき出した。
7日・オリックス戦(福山)でチームは25被安打21失点の歴史的大敗。広島に居残った前田健は途中までテレビで見ていたが、中継は途中で終了。携帯で点数をチェックしていたが、いつまでも終わらない相手打線の攻撃に「びっくりでしたね」と振り返る。
だが、もう終わったことだ。「これ以上、流れが悪くなることはないかな、と思う。(自分の投球に)全く関係ない。思い切っていくだけ。(交流戦の)最後をしっかり投げたい」。9日に先発予定のロッテ戦(千葉)へ向け前だけを向いた。
開幕以降、獅子奮迅の活躍だ。リーグ3冠の8勝、防御率1・52、78奪三振。5月は初の月間MVPにも輝いた。交流戦でも4戦3勝、防御率0・79。8試合連続中5日で先発してきたが、今回は中6日。わずかでも疲労は軽減され、交流戦最後の登板へ向かうことができる。
相手のマリンガン打線にも不足なしだ。千葉マリンで8連勝中だと聞くと「そういうのは好きですよ。周りが(ロッテが)勝つと思っている中で、それを止める、相手の期待をつぶす、というのはね。燃えますよ」とニヤリ。
球宴ファン投票ではセ・リーグ先発部門でトップを独走。「ファンにももちろんですが、パ(・リーグ)相手にも印象づけておくのも大事」とファン御礼の意味も込めて、ロッテ封じへ腕をぶした。
この日は、マツダスタジアムでキャッチボール、ダッシュなど約2時間調整。訪れた野村監督からは言葉もかけられた。「特別なことでは」と笑うが、壊滅的な投手陣の中で自身にかけられる期待は分かっている。借金は今季ワースト12。救うのはエースしかいない。