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習志野の強盗殺人:遺族、無期懲役囚に賠償請求 山形地裁、きょう口頭弁論 /千葉

 ◇思い聞き、意見述べたい--きょう第1回口頭弁論

 習志野市で07年12月に起きた強盗殺人事件で、殺害された被害者の遺族が、無期懲役で山形刑務所に服役中の竹村諒受刑者(26)に約6300万円の損害賠償を求める訴訟を山形地裁に起こした。1日に第1回口頭弁論が開かれる。被害者参加制度の導入前だったため、刑事裁判で質問や意見表明の機会がなかった遺族が、民事訴訟の場で直接加害者側に意見を述べたいと希望している。【鈴木健太】

 被害者は、習志野市谷津に住んでいた飲食店従業員、鈴木康幸さん(当時42歳)。千葉地裁判決(08年11月)によると、竹村受刑者はパチンコなどによる浪費から金に困り、07年12月2日未明、同市の路上で勤務先から帰宅途中の鈴木さんの胸を包丁で刺して殺害、現金6000円入りの財布を奪った。地裁は強盗殺人罪などで無期懲役を言い渡し、竹村受刑者は東京高裁に控訴したが棄却され、昨年2月に刑が確定した。

 遺族は、訴状で「刑の確定から現在まで自分の罪とどう向き合ってきたか、被害者や遺族に対しどのような気持ちでいるかを本人の口から聞きたい」としている。口頭弁論の中で、竹村受刑者に「苦しむ被害者を見た時にどう思ったか」「刑務所にいて被害者を殺した瞬間を思い出すことはあるか」「人を殺したという事実をどう思うか」--などと直接尋ねる予定だ。

 遺族は「こうした裁判を続けること自体苦痛だが、直接会ってみないと分からないことがあるかもしれない」と話す。遺族側の山本達夫弁護士は「賠償金ではなく精神的被害の回復が目的。遺族の悲しみを率直に伝えることで、被告の更生にもつながれば」と言う。

 ◇今年1月、謝罪の手紙届く

 民事で訴えられた竹村受刑者は、約束しながらそれまで書かなかった謝罪の手紙を今年1月、初めて出した。

 「鈴木康幸さんには本当に申し訳無い事をいたしました。何度謝っても許される事では無いことは判っておりますが、どうか謝らせて下さい。事件の事を思い出す度に悔悟の涙に暮れております。私自身、何故あの様な事をしてしまったのが未だ理解出来ません。自分でも気が狂っていたとしか考えられません。しかし、そうなってしまったのは、それまでの私の無計画さ、自堕落な生活が原因なのは分っています。その所為で一人の尊い命を奪った私は、鬼畜生にも劣る存在だと思います……」(原文のまま)

 初弁論の場に竹村受刑者が姿を見せるかどうか分からないが、遺族は直接謝罪してくれると信じている。

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 ■ことば

 ◇被害者参加制度

 犯罪被害者団体の訴えなどを受け、07年6月の刑事訴訟法改正で導入、08年12月に施行された。裁判所に認められれば、被害者や遺族が「被害者参加人」として情状面に関する証人尋問、被告への質問のほか、検察官とは別に求刑意見を述べられる。対象事件は殺人や傷害致死、性的暴行、誘拐、交通死傷事故など。

毎日新聞 2010年6月1日 地方版

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