上田市のアパートで住人にけがをさせ、現金などを奪ったとして、強盗致傷などの罪に問われた上田市中央西1の無職太田秀一被告(44)の裁判員裁判で、長野地裁は3日、懲役7年(求刑懲役9年)の判決を言い渡した。
判決後、裁判員を務めた男女各3人のうち男性2人が記者会見。佐久市の30代会社員は「判決が正しかったのか、すごく重荷になっている」、長野市の60代男性は裁判員経験者の守秘義務について「正直、負担に感じる」と語った。
高木順子裁判長は判決理由で、パチンコなどで所持金を使い果たした被告が、身体障害のある被害者から金を奪い、借金返済や遊興費などに充てようと考えたと指摘。「身勝手な動機、経緯に酌むべき点はない」とする一方、被害者あての謝罪文を書いたことや、自身の子どものために更生を決意したとしている点などは認めた。
弁護側は懲役5年が相当と主張していた。主任弁護人の大島忍弁護士(上田市)は控訴について「判決文を読み、本人と話し合って決めたい」と説明。長野地検の山下隆志次席検事は「事実認定は適正で、一般国民の感覚が反映された妥当な判決」と述べた。
判決によると、太田被告は昨年9月12日午後8時40分ごろ、上田市御所のアパートに訪問者を装って侵入、住人の男性にモデルガンを突き付け、腹を踏み付けるなどして約5日間のけがを負わせ、現金4万円余などが入ったポーチを奪うなどした。