2)周期的凹凸構造の形成による撥水性及び光学特性に優れた表面の作成 |
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ハスの葉の表面は水をよく弾き撥水性を示すことが知られていますが、これはその表面に微細な疎水性の凹凸構造が形成されていて、表面に空気を保持させることで水が塗膜本体と接触しなくなるためと言われています。したがって、表面に周期の揃った微細な凹凸構造を形成させることができるならば、同様のメカニズムによって撥水性の表面を作り出すことができるはずです。 | |
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(a)
形成される周期凹凸構造 |
(b)
NIH Imageによる フーリエ変換解析 |
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(a)
非凹凸形成型表面 |
(b)
凹凸形成型表面 |
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また、このような表面は光を散乱させる機能も有します。下図の(a)および(b)は、同様の表面に対し、いくつかの入射角で照射された光の散乱状態を、ゴニオフォトスペクトロメーターで測定した結果ですが、微細な周期凹凸を形成することで、光を全方向へ乱反射させるようになることが確認されます。 | |
(a)
非凹凸形成型表面 |
(b)
凹凸形成型表面 |
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この技術については、2002及び2003年度の2年間に渡りカネボウ(株)と共同研究を行ない、その成果はサンスクリーン剤として製品化されました。2003年には「ALLIE EX カットサンスクリーン R」、2004年には「ALLIE EX カットサンスクリーン a」として発売されました。 | |
(a)
ALLIE EX カットサンスクリーン R (2003年発売) |
(b)
ALLIE EX カットサンスクリーン a (2004年発売) |
本現象を理論的に説明するには、散逸構造理論をしっかりと理解していなくてはなりません。しかし、撥水性及び光学特性に優れた表面を、非常に簡単な作業で作成できる技術であることも確かです。したがって、化粧料以外にも以下のような用途での応用が期待されます。 |
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そして、撥水性及び光学特性に優れた表面を非常に簡単な作業で作成できる技術は、化粧品のみならず、様々な他の工業分野への応用が期待されます。現在、 |
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