近頃は様々な素材の衣類が登場して、選択の幅も広がっています。電子顕微鏡で観察すると不思議な事が判りましたよ。 さあ、のぞいてみましょう!
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ウール30%、ポリエステル70%の素材を観察しました。 髪の毛と同じようにキューティクルの構造をしているのがウールで、平坦な繊維はポリエステルです。ウールは保温性に優れており寒い季節には欠かせない素材ですが、洗濯などで縮みやすいため注意が必要です。縮みの原因は、キューティクルが水を吸収すると膨張して立ち上がり、絡みやすくなるためです。 一方、ポリエステルは丈夫でシワになりにくい、吸湿性が少なく虫やカビの心配がないという特長があります。二つの繊維を混合することで、暖かくて扱い易い素材が作られているのですね。
写真a:表面に存在する小さな突起 写真b:突起の拡大図
衣類とは関りがないと思うかもしれませんが、実は雨傘やスポーツウェアなど水を弾く素材の中には蓮の葉の構造に学んで作られているものがあります。蓮の葉の上では、水がはじかれて水玉がコロコロ転がります。このように水玉を作り、弾いてしまうような性質を「撥水(はっすい)性」といいます。葉の表面はワックスのような物質で覆われていて、さらに細かいデコボコがあります。これが水滴と葉を触れ合いにくくして、水を弾くのです。この機能は科学的にもなかなか作れないものでしたが、最近の紡糸技術の発展で撥水性のみならず、透湿性、通気性なども兼ね備えた優れた製品も登場しています。
素材の特長を知ることで、目的に合った選び方ができそうですね。 これからもいろいろな目に見えないものをのぞいて不思議発見していきましょう!
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