民主党の小林千代美衆院議員(北海道5区)陣営が、北海道教職員組合(北教組)から違法な献金を受けたとされる事件で、政治資金規正法違反(企業・団体献金の禁止)の罪に問われた自治労北海道財政局長・木村美智留被告(46)の判決公判が9日午後1時30分から札幌地裁(辻川靖夫裁判長)で開かれた。
辻川裁判長は木村被告に禁固6月、執行猶予3年(求刑禁固6月)の有罪判決を言い渡した。
木村被告は北海道に入庁後、02年に退職。以後は組合の専従活動に専念し、08年9月、小林千代美合同選挙対策委員会(選対)の総務委員長に就き、選挙資金全般を統括する立場にあった。
北教組は昨年の衆院選で「責任産別労組」として小林陣営を全面的に支援した。
判決では、木村被告が2008年12月4日、2009年3月11日、5月20日の3回、北教組の中央執行委員室で北教組委員長(09年6月死亡)からそれぞれ現金400万円、続いて同年7月28日には江別市の小林選対事務所で北教組委員長代理の長田秀樹被告(同法違反で公判中)から現金400万円、計1600万円の資金を供与されたことを認定した。
木村被告は先月18日の初公判で、起訴事実を「間違いありません」と認め、「法令に定められた収支報告書に記載できない金」と資金の違法性を認識していたことを明らかにした。
北教組側に資金提供を依頼した理由は「麻生政権は解散に打って出ず、年内は解散されないという状況で推移しました。ほかの選挙区では選対の閉鎖、あるいは規模縮小の動きがあったが、(死亡した北教組委員長)選対委員長からは『5区は大物(町村信孝衆院議員)と戦うので選対は閉めずにやる』という話しがありました。経費の面を理由に事務所を閉めることはできませんでした」などと選対が資金に窮していたことを証言した。
また、弁護人から資金に関して小林氏に相談したかと質問された木村被告は、「浪人の身であり、民主党からの交付金を除けば、小林は生活にも窮する状態でした」と述べた。
辻川裁判長は判決の理由を「寄付を受けた金額は計1600万円と多額であり、被告人の行為は悪質。自らの判断で資金提供を依頼し、酌むべき事情があるとは思えない。しかし、本件によって被告人は身柄を1カ月半拘束され、職場では起訴休職扱いとなっている。本件は被告人を直ちに刑事施設に入れる事案とは言えない」と述べた。
木村被告に現金400万円を渡したとされる長田被告は、先月19日の初公判で起訴事実を認めており、6月14日に判決が言い渡される。(文・東、写真・糸田 15時33分更新)
北教組違法献金初公判 小林陣営会計責任者が起訴事実を認めて結審
http://www.hokkaido-365.com/news/2010/05/post-1014.html
北教組事件 組合トップ・長田被告が初公判で違法な資金提供を認めて謝罪
http://www.hokkaido-365.com/news/2010/05/post-1016.html