県警は8日、暴力団への取り締まりを強化するため、「県暴力団排除条例(仮称)」の制定を目指し、暴力団への利益供与などを禁止する内容を含む条例案を作成、9日から県民の意見を募集する、と発表した。7月8日まで県警ホームページや各警察署などで閲覧可能で、寄せられた意見を踏まえ、9月の県議会での提案を目指す。
県警によると、条例案は、(1)学校などの周辺200メートル以内での暴力団事務所の開設や運営を禁止(2)暴力団の威力を利用する対価として、個人・事業者と暴力団員の間で金品のやりとりなど利益供与の禁止(3)暴力団であることを知りながら、不動産の譲渡や工事契約などの禁止‐などを盛り込んだ。違反した場合は、事業者名を公表するなどの行政指導を行うことも検討している。
県警によると、県内には17の暴力団が存在。最近は国の就職安定資金融資制度を悪用した詐欺事件や県外に本拠地を置く暴力団の進出の動きもあるという。
一方、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(迷惑防止条例)」の改正案への意見も同時募集する。改正案は、飲食店などで暴力団員であることを示す行為を摘発対象に追加。さらに「卑わいな行為」として「痴漢」や「のぞき見・盗撮」などを具体的に規定する。
いずれの案も意見は郵送やファクス、電子メールなどで受け付ける。
=2010/06/09付 西日本新聞朝刊=