生徒はこの階段付近で少年に金を渡していたという=8日、横浜市内
誕生日に「プレゼントは何がいい」と聞くと「お金で」と答えた。父親は「好きなものを買いなさい」と1万円を渡した。少年らの恐喝がすでに始まっていた時期だった。
恐喝のきっかけは昨年9月。少年の1人に「先輩にあいさつがなかった」と殴られた。生徒は心当たりはなかったが、「金を持ってきたら許す」という言葉に黙って4千円を渡した。
その後も「持ってこないと痛い目に遭うぞ」と脅しは続いた。金の要求は週に数回。毎日取られることもあった。毎回の要求額は数千円だったが、少年らは県警に「あまり多く要求すると生徒が金を持ってこられないから」と理由を説明したという。
金は校内や学校近くの人気のない場所で渡した。生徒は脅し取られた総額を「渡しすぎてわからない」と言う。
3人が通う中学校の関係者は「恐喝は認識していなかった。警察に任せているので学校としては特に対応しない」と話す。校長は「個人情報保護のため事件の有無は肯定も否定もできない」とだけ話した。
事件を振り返り、被害者の生徒は力無くつぶやいた。「2人のことは忘れたい」(福宮智代)