菅内閣は9日、内閣記者会に対し、鳩山前政権まで原則1日2回行ってきた首相の「ぶら下がり取材」と官房長官の記者会見をそれぞれ1回ずつに減らす方針を伝えた。あわせて月に1回程度、フリー記者らも参加する首相会見を開く案を示した。今後、記者会側と協議する。
首相が1日2回立ち止まって記者団とやりとりする「ぶら下がり取材」は、小泉内閣で始まった。それまでは歩いている首相に声をかける方式だったが、警備上の理由などから官邸側と記者会側がいまの形で合意。鳩山由紀夫前首相も踏襲した。
今回の官邸側の提示は(1)首相ぶら下がりは1日1回、正式な会見は月に1回程度開く(2)毎日午前の官房長官会見を副長官が代行。長官会見は午後だけとし、フリー記者にも開放して時間を延ばす――との内容。副長官の代行について官邸側は「誰が発言するかが大事ではなく、政府としてのメッセージが出ればいい」と説明している。
菅首相は8日の就任会見で、マスコミ対応について「オープンにすることは非常にいいが、取材を受けることで政権運営が行き詰まるという状況もなんとなく感じている」と述べていた。