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iPhone新モデルは“ハードル”を超えられるのか?

これまでのiPhoneの大ヒット、Androidの台頭、iPadの発売早々の成功――新型iPhoneが世間をあっと言わせるには、かなり高いハードルを超えなければならない。(ロイター)
2010年06月04日 16時30分 更新

 Appleのスティーブ・ジョブズCEOは6月7日に次世代iPhoneを発表するとみられるが、この新型がアナリストや消費者をうならせるには、マルチメディアコンテンツと機能の新たな基準を打ち立てなければならない。

 Appleの課題は、業界を変えるほどの革新を考え出すことかもしれない。iPhoneは既に、同社の主な利益成長エンジンになるほどの文句なしのヒット商品になっており、同社の株価は過去最高に達しているからだ。iPadが発売早々、多くの人から「既に新しい市場を作った」と言われるほど成功していることも、この課題を難しくしている。

 好評を博しているGoogleのAndroid搭載端末との競争も高まっており、Appleはさらなるレベルの引き上げを迫られている。

 「iPhone 4.0が登場すれば、Appleは優位を保てるだろう。それが昨年と同じくらいたやすいかと聞かれれば、答えはノーだ。Androidは大きく前進したと思う」とGartnerのアナリスト、カロリーナ・ミラネシ氏は語る。

 昨年は、Research In Motion(RIM)がAppleの一番のライバルだった。RIMのスマートフォン「BlackBerry」は依然として多くの企業に選ばれているが、BlackBerryが対処してきたセキュリティの懸念がiPhoneでも取り除かれるに伴って、Appleは法人市場にも踏み込んでいる。

 Appleによると、Fortune 100社のうち70%以上がiPhoneを導入しているか、試験的に使っている。

 しかし、iPhoneの主なターゲットは――当面のところ――依然として消費者であり、この市場で、次第にHTC、Motorola、Samsung ElectronicsなどのメーカーのAndroid携帯と接戦を演じるようになっている。

 長期的には、投資家はiPhoneが中国などの世界市場に広がることや、Appleの価格戦略、iPhoneがいつAT&T以外の米国キャリアから販売されるのかに注目している。

 このところの忙しいスケジュールに続き、ジョブズ氏は7日にはAppleの開発者会議でステージに立つ。Wall Street Journalは、このイベントで第4世代iPhoneが正式に発表されると予想している。

 新型iPhoneは従来よりも高速で、ストレージが拡大し、画質とバッテリー駆動時間が向上し、前面カメラが付く可能性が高い。どれもいい強化策だが、競争力を大きく増すものではない。

 「スティーブ(ジョブズ氏)と一緒にクールなものがステージに登場するだろうが、結局、一般的な機能だということは分かっている」とBroadpoint AmTechのアナリスト、ブライアン・マーシャル氏は言う。

 マルチタスクなど、iPhoneユーザーが長らく求めてきた機能も追加される。

増えるライバル

 2007年に登場したiPhoneが現在のスマートフォン市場を作り上げたことは間違いないだろう。iPhoneが作り出した「型」――およそ4インチのタッチスクリーンで多数のアプリに手早くアクセスできる――はWeb対応携帯の標準になった。

 だがその後、市場にはライバルも増えた。特にAndroid搭載のスタイリッシュなスマートフォンが台頭している。

 「Androidは唯一の真の競争相手だ」とRodman & Renshawのアナリスト、アショク・クマー氏は語る。

 「Nokiaの地位は弱体化し続けている。RIMはまだ消費者市場では勢力を伸ばせていない。Microsoftは結局、小さ過ぎ、遅過ぎるということになりそうだ」

 モバイルOSではNokiaのSymbianが世界市場でトップであり、RIMがナンバー2となっているが、両者ともシェアが減少していると、Gartnerは報告している。

 iPhoneの世界シェアは1〜3月に急進し、15%を超えて3位になった。Androidは4位で、前年から大幅に伸びてシェア10%に近づいた。

 ミラネシ氏は、iPhoneは世界各国、特に欧州で好調だが、アジアにはかなり成長の余地があるとしている。アジアは競争が激しく、スマートフォンが好まれるかは地域によって大きく異なる。

 iPhoneは約90カ国で150社を超えるキャリアから販売されている。昨四半期のiPhoneの販売台数は875万台。同製品はAppleの売上高の40%を占め、利益率は約60%という。

 ウォール街のアナリストの多くは、iPhoneが2011年までに、早ければ今秋にもVerizonからも販売されると予測している。Appleは7日のイベントではVerizonの件を発表しない見込みだ。

 AT&Tはネットワーク品質に関してiPhoneユーザーから批判されているが、ジョブズ氏は今週、夏には改善されるだろうと語った。

 AT&Tは2日、モバイルデータサービスの新規加入者には無制限プランを提供しないと発表した。これにより、ネットワークへの負荷が高いダウンロードを減らして、一部地域で通信速度を改善できるかもしれない。

 Piper Jaffrayのアナリスト、クリストファー・ラーセン氏は、この発表がAppleのイベントの数日前だったのは偶然ではないと指摘する。この発表は、AT&TがiPhoneの独占販売契約を引き延ばす一助となるかもしれない。

 Appleが高い利益率を誇っていることから、新型iPhoneおよび旧モデルの価格設定も注目されている。現在の最新モデルであるiPhone 3GSはAT&Tの販売奨励金付きで199ドルから。その前のモデルiPhone 3Gは99ドル。

 多くの人は、7日の発表にサプライズはないのではないかと考えているが、Appleのことなので、それは誰にも分からない。うわさでは、WebベースのiTunesやApple TVの新版などが登場すると言われている。

[サンフランシスコ 4日 ロイター]

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