宮崎哲弥朝日新書このアイテムの詳細を見る |
著者とは、10年以上前、まだ彼が博報堂に勤務していたころにつきあったことがある。彼も私も、ニフティの「現代思想フォーラム」の常連で、オフラインでも何度か会った。彼は西部邁氏に興味をもっていて、私に「紹介してくれ」といったが、私は「学問的に得るものはないので、やめたほうがいい」といって断った。その後、彼は自分で西部氏に接触し、一時は彼の編集する『発言者』の常連になったが、案の定、喧嘩別れした。
本書は、そんな著者の博識ぶりが発揮され、読書ガイドとしてはよくできている。毎月60冊もの新書をすべて読破して書評するというのは、2ヶ月に1冊の書評も持て余している私からみると驚異的だが、意外にていねいに読んでいる。特に彼の得意とする政治・思想・宗教の分野では、右翼とか左翼とかいう図式にとらわれないで、バランスのとれた評価をしている。ただし、著者が高く評価する橋爪大三郎・佐伯啓思・仲正昌樹・中島義道といった「新書文化人」は、私はまったく評価しない。
他方、彼の苦手とする経済・ビジネス・科学技術の分野は、質量ともに弱い。『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』という駄本がBestにあげられ、金子勝氏と「リフレ派」がともにリストアップされているお粗末ぶりだ。科学の分野は2冊しかなく、ITやインターネットは1冊もない。全体としては、著者よりも年上の文科系のおじさん向けのラインナップである。
先日、テレビ朝日のスタジオで会ったら、「週にテレビ・ラジオあわせてレギュラーを10本もっている」といっていた。しかし本人は「現代の辻説法」のつもりでも、テレビ局のほうは「何でもコメントする便利な評論家」として使っているのである。ワイドショーにまで顔を出していると、西部氏のように使い捨てにされて、安っぽいイメージが残るだけだ。そろそろ腰をすえて、まとまった学問的な仕事をしてはどうだろうか。
コメント一覧
無理
ジャーナリストでもなく学者でもない
読むに耐える本を1冊も書いたことがなく
書店で宮崎の本を見ることもなく
こせこせ書評にかこつけて自分の鬱憤を
晴らすしかなかった無能な宮崎も
自分の行く末を考え出したんでしょう
「慶應」出身という惨めな人脈でコメンテーター
として金をもらう道を選んだんでしょうが
しゃべりは下手
ねたは「読書」
終わってる
ニフティの「現代思想フォーラム」てなつかしい。いちおう読んでたけど宮崎もいたのかな。宮崎は自分で「タレント」だといってましたよ。
最近、テレビは見なくなったなあ。
「朝生」で、世間ではネットが主流になると言うけど、やっぱりテレビはこれからも主役だよ!というような発言をしてました。その後、テレビでのレギュラーが増えているようです。テレビ的パフォーマンスもそれなりに巧いですしね。
朝生ですか
NHK問題のとき私も見ました。
ペイテレビ化(スクランブル化)しても十分(NHKは)やっていけるとの池田先生の主張に対し、「誰も払わないでしょ」と話の腰を折っていたのを覚えています。
どうも放送メディアの提灯持ちは、「提灯を捨てて逃げ出した提灯持ち」以外に少なくとも一人は居るようです。
宮崎哲也って、批判だけで、創造性がないと思う。
>著者が高く評価する橋爪大三郎・佐伯啓思・仲正昌樹・中島義道といった「新書文化人」は、私はまったく評価しない。
この理由を説明して欲しいです。
橋爪大三郎・佐伯啓思・仲正昌樹・中島義道全員
宮崎よりは大分上だな
なにせ宮崎は本を書くことすら出来ないんだから
宮崎氏って何か見るべき業績があるんですか?いつでも必ずテレビ業界に便利屋さんとしてストックされている、知識人風味のタレントにしか見えないのですが。一個人としては博識で好人物なのかも知れませんけど…
誤解の無いように申\し添えると、私は具体的に氏を批判できるネタがあるわけじゃなく、純粋に知りたいんです。
宮崎哲弥「異見あり」に異見あり!
http://homepage1.nifty.com/boddo/ajia/topic/special.html
仏教も全くだめです
宮崎は馬鹿です
「週刊誌時評」宮崎哲弥のウソ
http://rootless.org/chomsky/falserumor.html#muso
管理人より
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池田先生のお勧めは?
新書って字も大きく分量も手ごろで通勤電車で読むのに適してますよね。ところで、先生お勧めの新書を教えていただけないでしょうか?特に経済・ビジネス・科学技術の分野で何冊か教えてほしいですね。
Re: 池田先生のお勧めは?
宮崎氏のすすめる本を何冊か読んでみましたが、はずれが多いですね。なかでは、中岡望『アメリカの保守革命』(中公新書ラクレ)がおもしろかった。
1冊限りとは寂しいですが・・・
ありがとうございます(1冊限りとは寂しいですが)。確かに新書ってお手軽な分、はずれも多いですよね。7、8百円程度で教養を身につけようとするのが図々しいのでしょうか。でも先生のブログをはじめ無料で読めて新書以上の教養が身につけられるネットのことを考えると不思議ですね。
>著者が高く評価する橋爪大三郎・佐伯啓思・仲正昌樹・中島義道といった「新書文化人」は、私はまったく評価しない。
僕もこのところの説明を聞かせてほしいです。