夕張市立診療所が5月に心肺停止状態の男性の受け入れを断った問題で、同市は8日、診療所を運営する医療法人「夕張希望の杜」(理事長・村上智彦医師)からの聴取結果を、市議会行政常任委員会に報告した。
村上医師は拒否の理由について「1人態勢で心肺蘇生は困難」とし、今後の対応について「高次医療機関に運ぶべきだ」と答えたという。藤倉肇市長は「一刻一秒を争う心肺停止患者の受け入れは最も近い医療機関にお願いしている。(診療所と)今後も話し合いを続ける」と述べた。
昨年9月、心肺停止状態の少年の受け入れを診療所が拒否したことから、その後、市と診療所との間で▽ホットラインの設置▽心肺停止患者を受け入れて初期対応する--などで申し合わせをしている。【吉田競】
毎日新聞 2010年6月9日 地方版