普天間飛行場(宜野湾市)は、1995年に起きた少女暴行事件の翌年に日本へ返還、移設されることが決まった。当時の自民党中心の政権とアメリカ政府は名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸部に移設することで合意したが、今年1月の名護市長選挙で、受け入れを拒否し沖縄の外へ移すよう主張する候補が当選。県外移設を求める声が強まっている。
鳩山由紀夫首相は2009年8月の衆議院選挙で「県外移設」を訴えたが、その後、発言がゆらぎ、政権内もさまざまな意見が出てまとまっていない。鳩山首相は09年12月、結論を今年5月までに出すことを明言したが、沖縄の思いをどう受け止めるのだろうか。
普天間飛行場の移設先として、鳩山政権内では海上自衛隊の大村航空基地(長崎県)、徳之島空港(鹿児島県)、沖縄県の下地島、アメリカ領のグアム島などが取りざたされた。嘉手納飛行場との統合やキャンプ・シュワブの陸上部へ移すなどの意見もある。しかし、候補に上がった自治体は、どこも移設をこばんでいる。アメリカは辺野古が最善との考えをくずしていない。
普天間飛行場の移設は、沖縄の海兵隊約8000人をグアムに移すなどの計画とセットになっているんだ。沖縄の人たちの負担を軽くするためには、どういう選択が一番いいのか。政治がしっかりと答えを出してほしいよね
【おすすめの本】
「観光コースでない沖縄-戦跡・基地・産業・自然・先島」(新崎盛暉ら・著、高文研)
「豊かな島に基地はいらない-沖縄・やんばるからあなたへ」(浦島悦子・著、インパクト出版会)
「戦後沖縄のキーワード-『基地の島』の成り立ちと今」(松田米雄・編、ゆい出版)
「ジュゴンの海と沖縄-基地の島が問い続けるもの」(ジュゴン保護キャンペーンセンター・編、宮城康博ら・著、高文研)
ニュースがわかる4月号
2010年4月2日