再任されて会見する長妻昭厚生労働相=8日午後11時39分、首相官邸、山本壮一郎撮影
長妻昭厚生労働相は8日夜、来年度の子ども手当について「満額支給は財政上の制約もあり難しい」と述べ、月額2万6千円の支給を断念する考えを明らかにした。長妻氏はこれまで満額支給にこだわってきたが、財源確保が厳しいことから、見直しを迫られた形だ。
民主党は昨年の衆院選マニフェスト(政権公約)で、子ども1人当たり月額2万6千円の手当支給を掲げた。今年度は半額分の1万3千円の支給を始めたが、満額支給に必要な5.4兆円に上る財源確保のめどがたっていない。
民主党内では、子ども手当分の財源の一部を保育サービスなどの現物支給に回すことを検討している。ただ、長妻氏はこの日の会見で「現物、現金問わず、2万6千円という水準について確保するのが難しい」と述べ、子ども手当全体を圧縮する必要性を指摘。そのうえで「一定の結論が出れば、国民にきちっと説明することが必要だ」として、公約の方針転換を説明していく考えを示した。