アスキー・メディアワークスは8日、哀川譲さんのライトノベル「俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長」(電撃文庫)を絶版、回収すると発表した。井上堅二さんのライトノベル「バカとテストと召喚獣」(ファミ通文庫)と類似する表現があるとの指摘で調査した結果、複数の類似点を確認、哀川さんも同作品を参考にしたことを認めたという。

 「俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長」は、哀川さんのデビュー作で、人間だけでなく吸血鬼もいる学園を舞台に、「勇者生徒会」に所属する美少女生徒会長と、「魔王生徒会」のトップに立つ平凡な少年会長の2人が争うというラブコメディー。5月10日の発売直後から書店では売り切れ、5月17日付のオリコン本(文庫)ランキングで10位に入るなど、デビュー作としては異例の売れ行きで、アスキー・メディアワークスによると、累計発行部数は4万5000部を売り上げていた。

 同社では、10日発売の雑誌「電撃文庫MAGAZINE」への短編小説の掲載を取りやめた。電撃文庫のホームページで、哀川さんは「プロ作家としての意識の低さ、認識の甘さを深く反省しております」とするおわびを掲載している。(毎日新聞デジタル)