群馬県高崎市の染谷川河川敷で07年1月、前橋市六供町の会社役員、黒田良一さん(当時53歳)が遺体で発見された事件で、殺人容疑で逮捕された住所不定、稲川会系暴力団組長、竹内洋介(33)ら4容疑者の一部が「黒田さんを組関係者と勘違いして殺した」と供述していることが分かった。県警前橋署捜査本部が8日発表した。
捜査本部によると、竹内容疑者らは、県内の元暴力団幹部に恐怖心を起こさせるため、元幹部に近い人間を殺害しようと計画。この元幹部宅周辺に複数回、高級車を止めていた黒田さんを「元幹部と親しい間柄にある組関係者」と勘違いした、と一部の容疑者が話しているという。
県警の調べでは、黒田さんは暴力団とのかかわりは一切なかった。捜査本部が確認したところ、元幹部も黒田さんとの接点を否定した。遺族は事件後転居したという。
県警は5月下旬、竹内容疑者ら4人を殺人容疑で逮捕。逮捕容疑は07年1月11日夜、黒田さんの自宅マンション駐車場で、黒田さんの頭を鉄パイプのようなもので殴って車で連れ去り、車内で首を絞めて窒息死させたとしている。
捜査本部によると、竹内容疑者が静岡県沼津市、稲川会系暴力団幹部、山元健太郎容疑者(34)ら3人に殺害を指示したという。目撃情報などから逃走車両を特定し、4人の逮捕に結びついた。
毎日新聞 2010年6月8日 20時10分