今夏の参院選に「たちあがれ日本」から比例区での立候補を予定しているプロ野球元巨人で野球評論家の中畑清氏(56)が7日、東京・新宿で第一声を上げた。スポーツを通じた青少年の育成を訴えた中畑氏は、出馬理由を「巨人監督の目がなくなったから」と明かすなど、正直な“絶好調節”で4000人(主催者発表)の聴衆を沸かせた。8分間の演説ではスポーツ局の設置の必要性を言い忘れ、締めを任された最後のエールで党名を「がんばれ日本」と言い間違える“痛恨のエラー”はあったが、自己採点80点のデビュー戦となった。
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現役時代をほうふつとさせるパフォーマンスだった。スーツに身を固めての第一声は「タレント候補と言われてる一員の中畑清です」という自虐的なもの。さらに、キヨシ節は続いた。
「ちまたではこういう話をされた。中畑は巨人軍監督の目がなくなったから政界に進出するのでは?と。正解です」
“セイカイ”をかけたジョークと思われたが、本人は「本当に近い」とあっさり肯定。「原監督という大監督が成長し、3連覇して4連覇がかかってる。彼は5つか6つ下。逆行して(次の指揮官が)また先輩の私っていう流れはないと思う。踏ん切りをつけて一直線で迎える環境になった。この世界で人生最後に懸けてみたい。笑いをとるためではない」と大まじめに言い切った。
政界挑戦の理由が巨人監督との“てんびん”ということで“失言”と取られなくもないが、聴衆からは「元気があればいい!」という激励の声が飛んだ。
初演説は8分間。小学2年の孫を例に挙げながら子供の体力を回復させるための国との連携を訴え、出馬会見でも挙げた「義理、人情、恩返し・思いやり」の信条・GNOをアピール。
しかし、“エラー”もあった。「“スポーツ局をつくりたい”とか、大事な部分が抜けた」と苦笑い。最後に任されたエールでは「頑張れふるさと!頑張れ東京!」の後、党名「たちあがれ日本!」というべきところを「頑張れ日本!」と痛恨のミス。周囲の助け舟で「分かってますよ。最後は“たちあがれ日本”ですよ」と言い直した。
「80点くらいでどう?(もともと)エラーのある選手だから」と振り返った中畑氏。球界への未練を断った絶好調男の新たな挑戦が始まった。