ルイジアナ州ロバート(CNN) 米メキシコ湾の原油流出事故で、国際石油資本(メジャー)の英BPは29日、流出を食い止めるために油田に泥状の液体などを流し込む「トップキル」作戦が失敗したと発表し、別の作戦に移行する方針を示した。
同社のサトルズ最高執行責任者(COO)が記者団に語ったところによると、トップキル作戦では3万バレルの泥を3回に分けてポンプで流し込み、さらにつなぎとなる固形物を16回にわたり注入した。ポンプの作動中は流出が止まったものの、停止すると再発し、「繰り返しても成功には至らないと判断、次の作戦に進むことにした」という。
同氏によると、新たな作戦では、流出口となっている防噴装置の上部にある破損パイプを切除し、そこへふたをかぶせる方法を試みる。完全に密閉することはできないが、「大半の原油を回収できるはずだ」と同氏は話している。今後4〜7日で準備が整う見通しだという。
サトルズ氏とともに対策に当たっている米沿岸警備隊のランドリー少将によると、流出を根本的に止めるためには、別の油井を掘って原油を吸い上げる必要がある。BPが2カ所で掘削を進めているが、完成は8月以降になるとみられる。