トップインタビュー クリック証券

本日はクリック証券の高島社長にお話を聞かせていただきます。どうぞよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

高島社長は数ある証券会社の中でも非常にシステムのこと、ネットのことがわかってらっしゃる社長だなという印象を我々受けています。聞くところによりますと、そもそも複数のネット証券のシステムの立ち上げに参画されていらっしゃるそうですね。そのあたりの社長の経歴を簡単に教えていただけますでしょうか?

新卒で、大手証券会社で、営業を担当した後、アメリカに留学しました。帰国後、システム開発会社に入社し、日本で一番最初のネット証券システムの開発に係わっていました。その後はネットバンクのシステムを開発したり、外資系コンサルティングファームに入社し、何社かのネット証券の事業を立ち上げの段階から係わり、システムや業務のコンサルティングをしていました。

なるほど、それでですね、クリック証券の特長として、日本の証券会社で唯一APIを公開しているとか、オープンソースを活用しているなどとか、ネットのことがほんとによくわかっている会社だなと感心しています。そのあたりの戦略について高島社長の方からお聞かせ願えますか?

まずは基本的に、ネットでビジネスをする限りはユーザーに自由に使える環境を提供しなければいけないと思っています。それがGoogleであったりAmazonであったりに代表されますが、色々な会社がAPIを公開して色んな方がそのAPIを自由に活用されています。同じように証券会社もAPIを公開して自由に投資家が活用出来るということが必要だと思っています。

弊社は、システムをすべて自社で開発しており、オープンソースにしたのはもちろん安いコストでシステムを開発して提供することが出来るということもありますが、エンジニアの中ではオープンソースを利用することがすでにデファクトスタンダードとなっています。一番使い慣れたものを使うことでより効率的にシステム開発を行うことができます。

一番安く、一番自由度の高い、使いやすいサービスをお客様に提供するために、APIの公開やオープンソースを利用しています。

なるほど、投資家にとっては心強い味方だと感じています。色々ユニークな発想が御社にはありますし、新しいものにチャレンジしていこうという姿勢が御社からは感じられますが、これは社風ですか?それとも高島社長のお人柄によるものですか?

いえ、基本的には後発の会社ですので、他社に追いつき追い抜くためには他社と違う新しい何かを出さなきゃいけないですよね。そもそも新しいものを出さない限り始めることに意義がないですから。事業として成功するためにも、今までと違うよりよいものを提供するためにも、新しいものを出し続けるということはいつも考えています。

次の質問に移ります。御社のシストレFXグランプリという企画がスタートして色々なところで大きな話題になっていますね。またシストレツール「FASTA」の提供に関して、デモ版でもう提供されていますがこれが、今後本番システムでも利用出来るようになると聞いています。FX業界のシステムトレードをリードする御社ですが、これからのシステムトレードの可能性をどのように感じられていますか?

基本的にはシステム売買は為替のような24時間取引において、投資が高度化していくなかでどんどん普及していく領域だと思います。この領域において他社よりいち早く良いサービスを提供していくことで他社との差別化を図っていきたいと思っています。ですから、今後も意欲的に取り組んで、世界で一番システムトレードがやりやすい会社にしていくつもりです。

ありがとうございます。確かにシステムトレードのニーズは日本においても高まっていますが、やはり敷居が高いという感じを皆さん受けてますね。その中で御社の「FASTA」というソフトはシステムトレードを簡単に出来るツールということで非常に期待をしています。そのFASTAについてちょっと解説していただけますでしょうか?

他社さんのスタイルというのは、システムツールは海外で非常に多くのものが出ていますから、それを持ってきているんですね。そういうやり方をしますと、やはり画面が英語であったりします。英語であるというだけで使える人が限られてしまうんですね。ということで弊社としては国内で開発した自動売買ツールということで、今回出す「FASTA」ですが、日本語で、かつ出来るだけわかりやすく簡単に使える自動売買ツールということを意識して作りました。最初に優しい形で出して、その後、少しずつ色々と機能をつけて高度ものにした方が、みんなに受け入れられやすいということでああいう形にしました。

ということは「FASTA」はこれからますます発展していくということなんですね?

そうです。

社長のブログを拝見させていただきまして、iPhoneのことなども書いてありましたが、iPhoneがいよいよ発売されるということで、トレード環境がどんどん変化・進化してきます。特にiPhoneだけではないんですが、モバイルでのトレードがどんどん使いやすいものになってくると思うんですが、そういったネットトレードの新たな可能性についてお聞かせください。

為替については株と違って、銘柄が少ないです。株の場合は自分の見たいものは検索してから見なければいけませんね。ところが為替は決めたものを表示しておけばいいんです。携帯の弊社が作ったアプリなんかもそうですが、待ち受け画面にずっとレートを出せるようにしているんです。これは株だと出来ないんですが、為替だと出来るんですね。そして後は単純にそれを売ったり買ったりすればいいんですね。ですから取引が非常にシンプルなんです。そこがモバイルに向いているわけです。そして24時間動きますから、パソコンの前にいるときも外に飲みにいっているときも、仕事中でも、価格を気にされる方がいらっしゃいますから、ずっと持っているものっていったら携帯なわけですね。

そして、iPhoneが象徴していますのは、Docomoの最新版(906i)から無線LANが搭載されているんですね、iPhoneも無線LANが搭載されています。そうすると家など、無線LANがつながるところだと、お金を気にせず使えるわけです。そして無線LAN自体が今後規格が変わりますので、電波が飛ぶエリアが10倍くらい広がるんです。ですから一気に無線LANサービスが広がります。それと同時に携帯にも無線LANが載り、それと合わさってモバイルからのトレードが非常に便利になるわけです。ですからそこにはさらに力を入れたいと思っています。

高島社長からみたFXの魅力をお聞かせください。

そうですね。やはり取引としてシンプルでわかりやすい点ですね。株だと銘柄選びが大変ですね。それにFXの場合、仕手がどうしたとか誰かが思惑でもって動かしたりすることがありません。単純に世界の経済状況を分析すればいいわけです。値段も比較的公正に形成されますし、世界中で取引をされる大きなマーケットであるということ、これを24時間取引出来るということは魅力がありますね。しかも、株と違って取引手数料はゼロ円でやっていますし、スプレッドも弊社の場合ドル円で1銭くらいと非常にコストが低いです。魅力はたくさんあります。(笑)

ちょっと質問を変えます。高島社長は多趣味だと聞いていますが、その中でも漫画がお好きであるとか、お若いなあと感心しています。聞くところによりますと「HUNTER×HUNTRE」が愛読書であるとか?

いや、愛読書と言いますか・・・何回も読むものじゃないですからね。(笑)「HUNTER×HUNTRE」だけにはまっているわけではありません。(笑)他のものも連載されているものを読んでいるだけです。

そういった中から新しいトレンドを発見したり、若さを保ってらっしゃるんでしょうか?

いや、若さを保つために読んでるんじゃないですが・・・(笑)書物に関しては、ほとんど漫画しか読んでないので。情報を得るものは、漫画とネットしか読んでません。

ほんとにネットビジネスに向いていますね。大変失礼な質問ですみませんでした。それでは最後に今後の御社のビジョンをお聞かせください。

はい。為替に関して言えば、出来れば1銭以下のスプレッドでお客様に提供したいと思っています。いつかは1日中ずっと0銭で提供出来るようになることを目指したいですね。

どこで儲けるんですか?(笑)

その0銭でも儲ける方法を現在模索しています。(笑)まあゼロとはいかなくてもですね、現在弊社のスプレッドはドル円で1銭ですが、これをもう1桁下げて、0.1銭くらいで提供出来るようにはしたいと思っています。

なるほど、御社はネット株式においてもそうですが、ありとあらゆるところで価格破壊というんですか、一番安いコストで提供することがクリック証券の使命であるとお考えなんですね?

はい。使命だと思っておりますし、またそういう工夫をして、よりよい条件を提供し続けて他の会社さんとの競争を勝ち抜いていこうと考えています。為替については一番レートがいい会社が一番強いと思っていますので、それを目指します。

貴重な時間をどうもありがとうございました。これからも投資家のためにどうぞ頑張ってください。ありがとうございました。

編集後記

タカシマ君という愛称で親しまれ、さまざまな斬新なアイデアや話題を提供され続けている方なので、さぞや派手な、弁舌の達者な方かと想像していたんですが、お会いしてびっくり、木訥でまじめな方という印象でした。

しかし、そういった外観と反対に話の中身は実に面白く、しかもビジョンとして、世界で一番システムトレードがやりやすい会社にするとか、スプレッドゼロを目指すとか、高い目標を明確に持ち、それを簡単に口に出されることにかえって凄さを感じました。

ところで皆さん、高島社長のブログの写真、頭に葉っぱがふたつ付いているの、気がついていました?あれってなんだかわかります?広報の方に聞きました。あれはこれからどんどん成長して、最終的に花が咲くそうです。面白いですね、社長の発想ですか?と聞いたところ、広告担当の方が提案されたら、社長から「面白い」とOKが出たそうです。ここら辺にクリック証券の風通しの良さと、面白いことにどんどん挑戦していこうという社風が象徴されていますね。これまた感心しました。

漫画の話題で出てきた「HUNTER×HUNTER」ですが、そのハンターとはウィキペディアによりますと、「怪物・財宝・賞金首・美食・遺跡・幻獣……など、稀少な事物を追求することに生涯をかける人々の総称」のことだそうです。……なるほど、なるほど。タカシマ社長って間違いなく……ハンターの一人ですよね。(爆)

2008年7月

クリック証券 高島秀行

クリック証券株式会社
代表取締役社長
高島 秀行 (たかしま・ひでゆき)

1968年 大阪府生まれ。
証券会社勤務ののち、システム会社及び外資系コンサルティングファームで証券系のビジネスとシステムのコンサルティングに従事。
オンライン証券については、創成期より複数の証券会社で立ち上げに関わる。
2005年6月、GMOインターネット株式会社(現クリック証券株式会社)の証券準備プロジェクトに参加。2005年10月、会社設立とともに代表取締役社長に就任。2007年12月にクリック証券株式会社に社名変更、代表取締役社長を務める。

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