民主、国民新両党連立の菅内閣が8日、発足した。菅直人首相は記者会見で「財政の立て直しは経済を成長させる必須の要件だ」と述べ、財政再建と経済成長の両立を目指すと表明。財政再建には与野党の垣根を越えた議論が必要との認識も示した。沖縄の米軍普天間基地移設問題では、名護市辺野古への移設を明記した日米合意に基づいて協議し、沖縄の負担軽減に取り組むと強調した。
首相は「政治の役割は最小不幸社会をつくることにある」と表明。「強い経済、強い財政、強い社会保障を一体として実現する」と語った。同時に「税制の構造を変えることで新たな財源を生み出し、それを使うのが望ましいのか本格的に議論する時期に来ている」との見方を示し、消費税を含む税制抜本改革への意欲をにじませた。
首相が掲げる財政再建と経済成長の両立には、法人税率の引き下げや規制緩和などが欠かせない。月内に策定する新成長戦略が注目を集めそうだ。
首相は外交に関して、戦後、日米同盟が基軸だったとしたうえで「そうした姿勢を続けていく必要がある」と強調。普天間問題でギクシャクした日米関係を立て直すため、今月下旬にカナダで開く主要国首脳会議(サミット)の機会を利用して、米国を訪問することに含みを持たせた。
今国会の会期延長については「連立の他党と十分議論した上で方向性を定めたい」と指摘。参院選の勝敗ラインについては「6年前、岡田克也代表の下で戦った参院選でいただいた議席がまずベースになる」と述べ、50議席を勝敗ラインとする意向を示した。
「衆参同日選」の可能性については「参院選で国民の審判をまずいただくのが、最初にやるべきことだ。まだ全くの白紙と考えている」と否定した。内閣改造の可能性についても「今、改造はない。一般的にある程度、続けていくことが望ましい」と語った。
民主党の小沢一郎前幹事長に距離を置く議員の起用が目立ち「脱小沢」色の強い布陣となっているとの指摘には「どういう仕事を担当してもらうのが効果的かということで判断した」と反論したうえで、小沢氏は幹事長辞任で政治資金問題に「一定のけじめをつけた」との認識を示した。衆院政治倫理審査会への小沢氏の出席に関しては「他党の主張も聞いて判断する」と述べるにとどめた。
首相は8日午後、再任の11人を含む17人の閣僚を任命した。夜に皇居で首相の親任式、閣僚の認証式を行い、新政権が正式に発足した。4日の衆参両院本会議での首相指名以降、5日間にわたって鳩山内閣が職務を執行する異例の事態だった。
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