sin
2010年06月08日 08時38分51秒

One More Time, One More Chance

テーマ:ブログ

■A transfer


先週


見かけない番号から着信があった。
携帯電話を手に取りながら、鳴り止むのを待った。
番号を調べてみると、どうやら公衆電話から。


少し経って、また電話があった。
携帯は懐かしい友人の名前を写した。


彼女と別れた。

いきなりかい。


芯が強く、信念を持った女性だった。
自分には無いものをたくさんもっていた。
そこに嫉妬も尊敬もしていた。

嘘をつかないし浮気もしない、
そういうまっすぐなところに惹かれた。

たくさん話し合って、お互いに納得して別れた。
今まで育んだ「絆」を支えに良い関係でいられると思った。
恋愛という枠の外でも良いパートナーになれると思った。

それは失恋というよりは、
もっと優しくて希望に満ちたものだった。

そう言っていた。

数秒置いて、そうか。
としか言えなかった。



彼女にたくさんの嘘をつかれていた。
嘘を嘘で塗り固めた、裏切りと隠し事の連鎖だった。
相手がもはや自分の知らない人間とすら思えた。
別れたあとで偶然知ったらしい。

世界ってやつは、ふとした瞬間、ぐらりとゆらぐ。
人事に思えなくて、動揺した。

おそらくこれを読んでいる人達が想像した内容の
遥か遥か斜め上をいく悲惨なものだと思う。


本気で信じてた人に裏切られるのは正直かなりきつい。
心底失望したときは本当に「胸が痛む」のだと知った。

本人に問い詰めた。
開き直られ、別人格のごとく豹変し、激昂し、
口汚い言葉で己が被害者となる理論を巧みにぶつけてきた。


何も言えなかった。
言ってやりたいことはたくさんあったが
もはや無駄にしか思えなかった。


怒りを抑えて、許せない想いを抑えて、
ぶち壊したい衝動を抑えて、全ての感情を押し殺して、

「今までありがとう」

と、言った。
相手は言葉に詰まった。
それが相手の一握の良心だと思えた。

そしてさよならと言って電話を切った。
全てがそこで、終わった。
そのまま誰彼構わず電話していたらしい。


全てに辟易し、自己憐憫に苛まれても、
それでも好きだったから、楽しかったから、
恨みや憎しみなど負の感情に飲み込まれそうになりながらも、
自分は「感謝」という感情を選んだ。


脳内に鮮やかな記憶が感情と共にフィードバック。


自分の心が痛くなるのを感じながら、気遣っているふりをして話を聞いていた。
内心それどころじゃなかった。


思い出すのは

醜い言い争いの果てに、憎み合い、恨み合い、
互いの不幸を祈ってこれからを生きていくことが
本当に全てを無駄で無意味なものにすると思ったあの時。
感情の先にもっと大事なものがある、ということ。

今後、もう二度と互いの人生が交わることはない。
平気で嘘をつき、人を傷付けられる人間とは関わりたくない。
決して許せないし、いや、考えたくもない。忘れたい。

でも神様、どうか、
どうかあのビッチを幸せにしてやって下さい。

ついでに俺も。

終電よりすこし早い、あの電車の中でそう思っていたこと。


帰宅して電灯を落とした部屋は真っ暗で、
ディスプレイから流れる映画の明かりを頼りに
まだ開けてないウイスキーをまさぐる。

開け放たれた窓からは、
いつしか緩んだ冷気がタバコの煙をどこからかたゆらせてきて。
寒いけど、これはもう冬の寒さじゃない。

普段は家で酒を飲む習慣なんて無いのに、
空っぽの胃に生ぬるいウイスキーを無理に流し込む。
レディオヘッドがアンプから聞こえる。

何やってんだろう、俺は。
と思っていた。

頭痛い。
ひとりで飲んでも何も変わらないことに、
ひとりで飲んでから気付く。

傷つくのが嫌なら人を好きになんてならなければいい。
お人好しが馬鹿を見る世の中とわかっているのなら
もっと狡猾に、悪賢く、立ち回ればいい。
リスクヘッジしながら「恋愛ごっこ」に身を置けばいい。

そんなんわかってんだよばーか。
わかってるけど、好きになったら馬鹿みたいに信じるしかないやん。
どれだけ馬鹿を見ても、馬鹿正直に相手を想うしかないんだ。
絶望の世界だ。

そういえば、恋人を信じて、得したことがあっただろうか。
必ず最後に訪れる別れのときに、信じてよかったと思ったことがあっただろうか。

今回、大事なことを学んだよ。
女を決して信用するな。

そんな記憶を忘れてなんか、いるわけもなく。



君はちょっとした人間不信に陥っているのかもしれない。
さみしさも切なさも、全てが誰かのせいに思えるんだろう。

そう言って電話を切った。
この手の問題は誰かに頼って解決できる物じゃない。
彼もそんなことはわかっているんだろう。





■Air

旧劇場版エヴァを見た。
アスカはやっぱり報われなかった。

みんな死んでいた。

意味はやっぱりわからなかった。

でも、それがエヴァなんだって気付けた。




■One More Time, One More Chance




http://www.youtube.com/watch?v=UKQqvA_EgLg

『秒速5センチメートル』というアニメ映画のPV。

本編はツタヤとかに普通にあると思うので、借りてみてください。
もしかしてyoutubeに本編あるかも。

この映画とは少し前に出会い、ジブリだと騙されて見た。
それからの数週間で何回も、何十回も観た。
何十回も泣いた。劇中と、自分の人生とで、泣いた。

昔、ミクシイの日記の初期のほうで、
『桜』というタイトルの日記を書いたと思うのだけど、
この映画とその日記とが、みごとにシンクロするのです。

自分の求めていた全てが、
美しい、芸術的といえるかもしれない、映像に
見事に変換され、収められている。

上記の動画に少しでも何かしら感化された人がいたら、
たぶん僕と4時間は語れます。



あの日記を読んだ上で、『秒速5センチメートル』を観た友達が僕に言ってくれた。

「あんな思いをしながら生きていくことは私にはきっとできない」

僕はあの映画を観るたびに胸が痛み、
僕はあの映画を観るたびに強くなれる。

後悔なんてどこにもないんだよ。



そうだった。

浮気をしない、嘘をつかない女というのは存在する。
何も恐れず、何も迷わず、ただ信じていい女は存在する。

この世界で、この人生で、
僕はひとりの、本当に信じられる女性と出会っていた。

昔の話、遠い遠い記憶の彼方で、
まだ子供だった僕らは、全ての世界がそこにあったあの頃は
何も恐れず、何も迷うことなく、ただひたむきに、まっすぐに、
育んできたふたりの過去と、希望に満ちたふたりの未来を
ただただ、信じ合っていた。

思い出の中のあの人の存在が
人を好きになり、そして信じることの価値を
自分に残してくれた。

それが唯一の救いだった。

あいつがいるから、きっと大丈夫だろう。
あいつみたいな女性が、他にもこの世界のどこかにいて、
きっと僕の前にあらわれてくれる。

いつから俺は
こんなに涙もろくなったのだろうか。



恋は「する」ものじゃなく「落ちる」ものだ。
誰かが言った。

そうだと思う。
もう二度と恋なんてしないと固く誓う僕も
そのうち誰かに心から恋してるのかもしれない。

そんなとき、また、相変わらず、
ばかみたいに信じていようと思う。
好きでいることを疑わないでいようと思う。

信じあえる人はきっとどこかにいるはずだから、
過去にもいたから、きっと未来にもいるはず、

うん。
わかんないけど。
ポジティブ!

えへへへ



アメンバー限定とはいえつまんない日記ですいません。
消すか改稿するかすると思います。

新しい恋がしたいとまでは言いませんが新しい人間関係を作りたい。
めんどくさい過去を忘れる、一番手っ取り早い方法だと思う。

少しは警戒するんだろう。
そしてどっぷりいくんだろう。

この世界は、きっと楽しいはずだから。

僕は荒れながらも、がんばってます。
あなたもどうか、ご自愛を。







■Take care of yourself.


あんた私のこと、判ってるつもりなの?
救ってやれると思ってんの?
それこそ傲慢な思いあがりよっ。
判るハズないわ。
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