1973年にオープンした東山五条近くの
「河井寛次郎記念館」は
多分、一日中居ても飽きることの無い空間。
明治に生まれ、大正、昭和と
京都に拠点をおいて活動した作家さんで
土、木、金属
あらゆる素材を使い
自由で独創的な造形表現をした
素晴らしい芸術家。
文化勲章、人間国宝などの推挙もあったのだけど
いずれも辞退し、生涯一陶工として生き続け
無位無冠を貫いた人なんだ。
記念館の看板は棟方志功さんが書かれたもの。
建物自体は1937年に設計した自宅兼工房で
ろくろや陶房があり
五条坂の斜面を利用した登り窯もそのまま残っている。
こんな大きな窯はいままで見たことがなかったし
実際の現場を垣間見ることができて
展示されている作品の見方も変わった。
彼が鑑賞作品ではなく
実用を重んじた作品を 生み出そうとした想いを実感できる。
2階にある彼の作った椅子に座っていると
その当時どんなことを考えていたんだろうとか
何を感じていたんだろう。
想いをその馳せてみてしまう。
館内には至る所に彼の作品が展示されていて
カメラから手を離す事が出来ない !!
彼の独創的な作品が日本家屋と融合すると
日本とは思えないような
アジアンチックというか
エスニックな感じもあり
面白くて、時代を全く感じさせない。
また、彼は素晴らしいことばを残していて
「此世は自分をさがしに来た所
此世は自分を見に来た所」
今、自分はどんな風に映っているんだろ。
自分を見つけにきた人に乾杯