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離職者支援金140万円詐取 容疑の組員ら逮捕

2010年6月8日

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 失業者らに生活資金を貸す国の「離職者支援資金貸付制度」を悪用し、実施主体の大阪府社会福祉協議会(府社協)から140万円をだまし取ったとして、大阪府警は7日、山口組弘道会系暴力団組員松田朝喜容疑者(41)=同府高槻市城南町1丁目=と、アルバイト店員岡村祐輔容疑者(22)=京都府精華町祝園(ほうその)=ら4人を詐欺の疑いで逮捕し、発表した。松田容疑者は容疑を否認し、3人は認めているという。

 捜査4課によると、4人は共謀して2009年7月、松田容疑者の経営とする架空の建設会社「松田興業」(高槻市)を、岡村容疑者が退職したとする虚偽の離職票などを窓口の高槻市社会福祉協議会に出し、同8〜12月に月額20万円の融資7カ月分計140万円を詐取した疑いがある。岡村容疑者は「返済するつもりはなかった」と供述。同社は印鑑を作っただけで営業実態はまったくなかったという。

 府社協によると、岡村容疑者が提出した離職票には社名や電話番号が記されていた。同制度利用の申込書には「仕事も見つからず、妻と切り詰めた生活をしていたが、食べていくにも仕事がなく苦しい状況」とあった。

 府社協は提出書類の審査について、通常、退職した会社の有無をインターネット検索や住宅地図で調べるなどするが、よほどの不審点がなければ現地を訪れてチェックすることはない、としている。担当者は「本当に困っている人の制度で、書類がそろっていれば疑いようがない。見逃したと言われればその通りかもしれない」と話す。

 厚生労働省地域福祉課などによると、同制度は01年12月に始まり、昨年9月末に受け付けが廃止された。08年度末までに計154億円が貸し付け中で、計画通りに返済されているのは全体の31.5%。貸し付け決定額は、02年からの7年間で計約233億5千万円にのぼる。同制度をめぐっては、兵庫や埼玉、愛知の各県などでも詐欺事件が相次いでいる。失業による生活資金支援としては、昨年10月から「総合支援資金貸付制度」が新設された。

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