コイ投赤っ恥…21失点で歴史的大敗
「広島10-21オリックス」(7日、福山)
広島が屈辱的な大敗を喫した。投手陣が完全崩壊。六回にプロ野球史上初の10者連続安打を許して8失点を喫するなど、計21点を奪われた。両チーム合わせて43安打が飛び交った大乱戦。広島も石原の4号3ラン、5号2ランなど18安打で10点を奪ったが焼け石に水。3連敗となった。
◇ ◇
屈辱以外の何ものでもない。試合後、野村監督は六回表に“8点”が刻まれたスコアボードを眺め「歯止めがきかなかったね。非常に残念。こんなに打たれることも珍しいというか」と沈痛な表情で振り返った。
打線が1点差に迫った直後の六回。やりきれない魔のイニングとなった。あまりにも長いオリックス打線の容赦ない攻撃が続き、プロ野球史上初となる10者連続安打を浴びた。前日の中継ぎ陣投壊のVTRを見るかのような苦しい展開。年に1度の福山での開催を楽しみにしている地元カープファンは、目の覆いたくなる惨状にため息も出なかった。
3番手でマウンドに上がった高橋が1死後、突如、崩れる。大引に四球を与え、重苦しいムードが漂い始めた。坂口に二塁内野安打で出塁を許し一、二塁。経験豊富な左腕が、1点もやれない重圧に押しつぶされた。
荒金、後藤、Tー岡田に連続適時打を浴び、北川に右中間へ3ランを浴びた。さらに日高に左前打を浴び、マウンドを降りた。「申し訳ない。大事な試合を壊して」。チームの敗戦の責任を一身に背負った。
続いて登板した林も流れを止められなかった。1死満塁から代打大引に中前適時打を浴びると、さらに坂口には左前適時打され、屈辱の10者連続安打となった。
まさに乱打戦。打線が今季最多の18安打と奮起した一方で、投手陣は今季ワーストの25被安打。両チーム合わせての43安打は、交流戦では最多記録となった。投壊が続く中で、野村監督は「今いるカープの投手陣の中で現状ではベスト」と現有戦力の奮起に期待を寄せた。
試合後は全選手を集め「今日のことは割り切ろう」と前向きに選手を諭した。福山での主催試合は04年から5連敗となったが、大敗も1敗には変わりない。悪夢は忘れて、出直すだけだ。