キャンプ・シュワブ内文化財調査により確認された宿道(クリックで拡大)
【名護】米軍普天間飛行場の移設問題に関連し、名護市教育委員会文化課が2009年度に米軍キャンプ・シュワブ内の辺野古ダム周辺で実施した「市内遺跡詳細分布調査」で、同基地沿岸部を埋め立てる現行計画に基づく環境影響評価(アセスメント)の準備書で、埋め立て土砂採取範囲とされる区域に、琉球王朝時代の主要街道である「宿道(スクミチ)」が重なっていることが29日、同課がまとめた調査結果報告書で分かった。
宿道は1702年に作製された地図「琉球国絵図」などにも載っている歴史的な道路遺構で、同課は「開発地域から外し、文化財として残すことが基本」と説明する。仮に同区域から土砂を採取する場合、遺跡の記録保存をする必要があり、さらに詳細な調査を実施するために最低でも数年かかるといい、政府が2014年度までの完成を予定している代替施設建設に影響が出ることは必至だ。
準備書によると、同区域から採取する予定の土砂量は200万立方メートルで、採取面積は約30ヘクタールに及ぶ。
同報告書はすでに沖縄防衛局にも提出されている。今後同区域で何らかの工事を実施する場合、法的な手続きとして、文化財に重なる部分については市文化課との調整の上、場所を変えるか記録保存するかの協議が必要となる。同課によると、28日現在で防衛局から工事に関する連絡は入っていない。
09年度に調査した部分は区域内でも限られた範囲だが、宿道のほかに住居跡や猪垣跡、畑跡などの文化財も見つかっており、同課は「さらなる文化財が眠っている可能性が高い」と話す。
報告書でも「辺野古誌」の記述から「辺野古ダム周辺には確認できるだけでも60近くの世帯があったといい、1940年ごろには30世帯以上が散在していた」として、「周辺には集落の生活の跡が残されていると考えられ、宿道とともにさらに詳細な調査が必要」と指摘している。(外間愛也)
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