呉市内の入船山公園などの国有地12カ所計約15万平方メートルを国が市へ無償で譲与する予定で、別の9カ所計約34万平方メートルは既に譲与したことが分かった。いずれも旧軍港市転換法(軍転法)の対象の旧軍用地。10年経過後は原則、市の判断で転用などができる。これまでは市への無償貸し付けだった。中国財務局呉出張所などによると、大規模な譲与は昭和20年代以来という。
12カ所は本年度中に譲与予定で、入船山記念館や市民広場を含む入船山公園(幸町、約7万6千平方メートル)▽アレイからすこじま公園(昭和町、約1600平方メートル)▽クリーンセンターくれなどのごみ処理施設敷地(広多賀谷、約2万5千平方メートル)―など。財務局による見積額は合計で約34億円にのぼる。
既に譲与された9カ所は、音戸の瀬戸公園(警固屋、約23万平方メートル)、大空山公園(阿賀町、約10万平方メートル)などで、見積額は計約1億6千万円。
呉出張所によると、対象土地は市が譲与の要望を続けてきたが、境界が不明確な財産があり滞っていた。実現したのは「譲与後に順次、境界を設定していくことで国と市の協議がまとまったため」としている。
【写真説明】国が呉市に譲与する予定の入船山公園一帯(手前の森やグラウンド)
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