広島三大祭りの一つ「とうかさん」(4〜6日)の期間中、広島市中区の会場周辺では暴走族や改造車を乗り回す「周回族」による騒動はなかった。しかし、酒に酔った若者たちが深夜までたむろし、グループ数十人によるもみ合いが頻発。吸い殻や空き缶が散乱するなど、マナーの悪さが際立った。
「何で触るんじゃ」。若者たちが酔った勢いで警察官にすごむ。5日午後10時すぎから約2時間、祭り会場近くのアリスガーデン周辺で、もみ合いが続いた。警察官ややじ馬であふれ、一般客が通行できなくなる場面もあった。
広島県警は期間中、延べ約740人を動員し、警戒に当たった。暴走族や非行少年ら延べ20グループ65人を確認。未成年者の喫煙や飲酒で延べ153人を補導した。初めて訪れた中区の会社員女性(20)は「物々しい警戒と暴れる若者が怖い」と会場を足早に去った。
アリスガーデンや並木通り周辺の路上には、ごみが散乱。異臭を放つ場所も目立った。会場一帯の清掃作業に当たっていた男性は「暴走族がいなくなったが、マナーの悪さは変わらん」とあきれた様子だった。
|