広島県の湯崎英彦知事は7日、地元で反対運動が起きている広島市東区の広島高速5号二葉山トンネル(1・8キロ)の建設予定地を初めて視察し、住民から意見を聞いた。終了後、知事は「広島空港へのアクセス改善に必要な事業だ」と話したうえで、安全性を判断する科学的な検証が必要との認識も示した。
湯崎知事は、建設予定地の真上に位置する東区中山地区と牛田東1、3丁目、トンネル北側の同4丁目の住宅地などを視察。住民からは、建設に伴う地下水の流出を原因とした地盤沈下や土石流を懸念する声が相次いだ。
続いて湯崎知事は、「二葉山トンネル建設に反対する牛田東3丁目の会」と、「『二葉山トンネル』を考える市民連絡協議会」の7人と懇談会に臨んだ。
住民は「トンネルは費用対効果に乏しい」「周辺は急傾斜地崩壊危険区域だ」と訴えた。湯崎知事は「みなさんの不安は分かった」と伝え、県と市、広島高速道路公社が設置するトンネルの安全検討委員会の議論を重視する姿勢をみせた。
【写真説明】住民の説明を聞きながらトンネル建設予定地周辺を見下ろす湯崎知事(手前右)
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