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2010.02.19

嫌われる練習

 人に嫌われるという事は人間が何か好みを持って生きている存在である以上仕方ない事です。誰からも嫌われていない存在というのは、誰からも知られていない存在でない以上、存在する事は難しくなります。

 personalityによっても違いますが、例えば人に嫌われる確率が1%だったとしても、10人の中に自分を嫌いになる人が出てくる可能性は低いですが、10000人になるとほぼ必ず誰かには嫌われます。そして嫌われた人のうち、数%は直接言わないと気が済まない人が混じってきます。

 これにやられてしまう人が結構世の中に多いのに最近気づきました。批判している側はそんなに強い気持ちで思っていなくてもされている側は真摯に受け止めたりしています。それで悩む。自分は自分のままでいいだろうか。
 流してしまえば楽なんですが、思おうとして思えるような風には、特に真面目な人間の心はできていません。そしてスパイラルに入っていってしまいます。


 自分の人生を振り返っても、始めて他人に名指しで攻撃された時、少なからずショックがありました。私の場合は会った事も無い人が自分を攻撃しているわけです。しかも反撃しようにも相手の存在はどこかの誰かな訳で、反撃はしようがありません。なんだか闇夜の森の中で、いろんな角度から弓矢が飛んでくるようでした。
 
 ですがしばらくそれに耐えると、ある日突然実は弓矢の先は尖ってもいなくて、毒も塗ってないことがわかってきます。殺されるような類いの攻撃ではないと気付くわけです。そうなると、ようし来い来いという気分になって、ある程度の弓矢の数であれば気にせず前に進めるようになります。ただし、少し前に進むと弓矢の数が増えてきて、ごつんごつんと当たって痛いので立ち止まり、そしてまた前に進むという事を繰り返します。

 何もしなきゃ批判もされないと思われるかもしれませんが、そういうもんでもありません。自分らしく振る舞えばどこかでは必ず嫌われます。
 元々のpersonalityが万人から好かれる人もまれにはいるでしょうが、でもそれは努力ではそうなれません。もし懸命に万人に好かれるように努力していたら、それは長続きしませんし、それもまた鼻につく人がいるでしょう。なんだあいつは世間に媚びて、となるわけです
 つまり持って生まれた天分の才を持っていない限り、必ず誰かには嫌われるわけです。
 

 さて、私たちの職業に話を変えると好む好まざるに関わらず、強くなれば他人の眼にさらされます。有名にも裕福にもならなくていいから、ただひっそりと金メダルを狙いたいんです。そんな選手もいますが、それは世の中が許しません。それが現状です。
 黙々と閉め切られたジムでトレーニングしていたのが、ある日を境に、突然ジムが全面ガラス張りになり、360度から人がぎっしりと詰まって見られている気分になるわけです。

 ここの狭間で心が折れてしまった選手を何人か見てきました。私のようにどこか不確かで不真面目なところがある人間はぷいっとそっぽを向いて自分なりの落としどころを見つけるのですが、特にまじめに競技だけやってきた選手はどうしてもまじめに批判を受け取ってしまいます。指導者と二人三脚でやってきたタイプに多い気がします。つまりいわゆる日本の立派なアスリートと言われる層です。

 彼らも最初は一つ一つに対応するのですが、だんだんと耐えきれなくなり、そのうちに、責任感に苛まれて、自らの主張を折り曲げていってしまいます。いわゆる丸くなり誰からも批判されないようにする状態になるわけです。エッジが取れた状態です。エッジが取れた選手はだいたい勝てなくなります。

 そうした経験を繰り返し、日本のアマチュア選手はそもそも最初から主張せず、行動しないという手法を覚えていきました。だから日本の選手は新しい事や、例がない事はやりたがりません。そしてスポーツも改革を好まなくなりました。

 昔、いただいた御批判に対して、どうぞ僕の人生なんかよりご自身の人生に興味を持たれてください、と言った事がありますがこれは火に油を注ぎました。しかし、こういう発想の人間はふてぶてしく生き残るようです。憎まれっ子世にはばかる、です。

 
 好きも嫌いも所詮はただの違いであります。嫌われるのは違ったからです。悪いのはどちらでもありません。
 理屈ではそうなんですが、そうは思えず責任感に苛む人が今日も後を絶ちません。そして、矢を放つ人も職場やどこかでこっぴどくやられているのでしょう。一体どこを断ったらこれが断てるのか考えてみましたがわかりません。

 ただ唯一、自分がこのスパイラルから抜け出すには自分の人生にフォーカスする事しか無いのです。もしも、自分の人生に夢中になれば他人の事より、自分の人生の方が面白くてしょうがなくなります。そもそも、そんな時間が無くなるわけです。
 成長したいという欲求も伴いますから、自分を成長させる批判だけはにおいでわかるようになります。

 自分自身の人生を謳歌しましょう。人の人生は自分の人生ではないのです。

2010.02.19 | 固定リンク | コメント (21) | トラックバック (0)

Comment

テーマと関係のないコメントは削除させていただきます。

為末さん、お早うございます☆

メッセージ、においと共に響きました。脊髄にね。
ありがとうございます☆

動画見ましたからね。男前にキマッテました。格好良かったです☆
極秘帰国って、国際指名手配でもされてたのですか^^?《コン》
次からはきちんと報告して下さいね。
日本の気温を上げて下さいね。
CHIVASか・・、今ではアルコールは全く飲みませんが、いつかご一緒したいものです。
お話、朝まで聞いてあげます☆

それでは行ってきます!
楽しんできますね☆

またね☆

投稿者: (・^-^・)☆ (Feb 18, 2010 7:09:38 AM)

心に響く言葉ですね。
何回も何回も読みました。
為末さんいつもありがとう。

投稿者: まりかママ (Feb 18, 2010 1:41:59 PM)

私も、よく、批判される立場です。
世の中の(特に日本)TV、ラジオ、本、映画、などなど、
私のことを、よくも、悪くも、沢山、題材にしています。

大体、編者の、オリジナルが入ると、
そこが、事実と違うのに、
世間の人は、事実だと思うので、
私が、見ないように、聴かないようにしていても、
見てしまったとき、あったまにきます。

私のことを、題材にしているものを、
まったく、見ないように、聴かないようにしていましたが、
独りよがり、勘違い、など、よくないので、
注意深く選ぶうち、これは、自分にとって、
必要か、そうでないか、わかるように、なってきました。

それと、事実関係より、
その、お話の、本質、本音、本心、など、
核を、見極めることをするうちに、あまり、気にならなくなり、

どうせ、見られている、立場ならば、
とことん、見てもらい、
自分は、「まっとう」だ。
ということを、認められようが、認められまいと、
自分が、自分の人生を、切り開き、歩み、進む。
誰も、見ていなかったとしても、
まず初めに、自分自身が、一番先に、多く見ている、聴いているからだ。

エッジなんて、取っては、いけない。
だって、自分を殺していたら、
自分が、一番苦しい。自分らしくないし、
自分の能力開花出来ないし、
だから、
人から、どんなに、批判されようと、
「まっとう」であることを、忘れなければ、
幸せだと思う。

投稿者: 4090 (Feb 18, 2010 1:52:28 PM)

いいなあ。

いいです。

侍最高。

投稿者: 405 (Feb 18, 2010 6:29:08 PM)

為末選手の言葉はいつも理論的で胸にすーっと入ってきます。私は曲がったことが大嫌いなので間違っていることは相手が誰であろうと自分の意見を主張していました。小学生の時は私のこんな性格が仇となってよく仲間外れにされました。
中学生になってくると落ち着いてきましたが今でも昔の経験は強く心に残っています。そのせいか人と深く関係を築くのが苦手です。いつも自分に正直に生きようと思って過ごしています。為末選手のように自分の気持ちと向き合い頑張っていきたいです。

投稿者: ペコ (Feb 18, 2010 6:59:02 PM)

嫌われる練習というタイトルから、「こんな練習はきつくて嫌われます」とかそういう内容かと思ってました(汗)

私も以前は、周りの声にいちいち振り回されて、不必要な声にも1つ1つにいちいち耳を傾け聞いていました。いつからかだいぶ流せるようにはなりましたが、今もまだ完全には流せてないかな?そこは落ちこまなくていいだろうというところで凹んだりします。。誰にでも好かれたいとか、妬んだりとか、そろそろやめたいのですが。。そういうのは心の支えがないからだって、加藤締三さんの「心の支え方」って本に書いてありました。最近大好きだった人に振られて落ち込んで買ったこの本に結構助けられてます。

自分自身を人生を謳歌する、ぐっときました。

投稿者: がちゃぴん (Feb 18, 2010 8:48:37 PM)

他人の不幸を祈る人は、自分の幸せを諦めた人です。
他人の不幸より、自分の幸せを祈りましょう。

それと、実は「好き」と「嫌い」は、ともに「興味ない」と異なる点において同等です。

「どうぞ僕の人生なんかよりご自身の人生に興味を持たれてください」
最高の台詞ですねw
もっと言ってやればいいんですよ!

投稿者: シロ (Feb 18, 2010 11:37:59 PM)

為末さん、格好いいです。

頭と心が切り離せずに、時々胃がちくちくと痛くなってしまう自分に背中を押してもらった気分です。


投稿者: とん ことり (Feb 18, 2010 11:59:44 PM)

tame(●^o^●)兄さん、お疲れ様でした。
やっぱすぃ~そうきましたか?そうだすね。
わたすも、嫌われる練習にさらに磨きをかけて、挑戦しようと思います。怖がってても、嫌でも、孤独でも。そこに『嫌われる』意味がある限り。
っていうかぁ~無関心こそが、私の敵です。
じゃば。

投稿者: ゆりっぽ (Feb 19, 2010 1:15:42 AM)

今年32歳になる♂ですが、私もスノーボードのアマチュアで球技をしてました。その後30歳で辞めました。最近になりふと人生を振り返り看護師になろうと思い今年から勉強するのですが為末さんの自分の人生に夢中になり人生を謳歌すると言う言葉が凄く何か胸に暑い物を感じました。私も色々辞めなさいとか言われますが頑張っていきたいと思います。

投稿者: てつ (Feb 19, 2010 2:53:57 PM)

私は、為末さんのことが好きですよ。
正確に言えば、人として尊敬してます。
ホモでは全くないんですけど。

考え方と、行動に深い尊敬の念を抱きます

投稿者: けんた (Feb 19, 2010 3:55:11 PM)

案外我々日本人が 有名人をバッシングするのって
パターン決まっている気がしますけどね。
気にしない、のは結構ですが、気にしたほうがいい苦言、
もあるような。。
基本はビッグマウスで結果が出ない人がバッシングの
対象になりそうで、
結果の出ている人に対しては ねたみのバッシングは
あるでしょうが、それはほおっておけばいいでしょうけど。

投稿者: なお (Feb 19, 2010 4:58:14 PM)

こんばんは☆
『自分自身の人生を謳歌しましょう。人の人生は自分の人生ではないのです』、、、同感です。

為末さんって、やっぱり男前ですね。

投稿者: jun (Feb 20, 2010 12:19:52 AM)

なんでしょうか、某スノーボード選手の一件について意識して語られてるんでしょうかね。
それならばはっきり言ってみてはどうでしょうか。
このように濁して突付くのは、貴方も関係ないそぶりで一件に対して火に油を注ぐ役に加担しているようにも見えます。

まともじゃない批判は無視して真っ向からぶつかる必要なんかないというのはその通りだと思いますが。
批判する者は全て悪であるかのような態度は、それも間違いだと思います。

どうでしょう。
私のコメントも批判として聞く耳を持ちませんかね。

投稿者: you (Feb 20, 2010 6:07:25 AM)

初めてここに来ました。考えさせられました。

自分の場合、極端に言うと、自分と他人の境界線が曖昧になるとスパイラルに入るように思います。

考えすぎると考えない場合より迷宮入りする。

ここにもThink & feelがあてはまるような。

投稿者: 白コッペ (Feb 20, 2010 2:32:18 PM)

初めてコメントさせて頂きます。

為末さんを始めとするトップアスリートは、人類の宝であると私は思っています。
私自身は地方大会準決勝どまりの平凡な選手でしたが、トップアスリートの方々がどれほど素晴らしい能力の持ち主かくらいは分かっているつもりです。
肉体的才能、精神的才能、環境。それらがある種偶然、高いレベルで揃っていた方々の中から勝ち残った、非常に貴重な存在と言えるのではないでしょうか。

精神的才能(という表現が正しいかは分かりませんが)が僅かばかり足らず、世間からの批判を消化することが出来なくて潰れてしまった選手が少なからず存在する、ということですよね。
そのことに私はどうしようもない憤りを感じます。
あくまでも可能性の話で、極論に過ぎるかもしれませんが、心ない批判がなければ、既に日本人が100mで9秒台を記録していたかもしれない訳ですよね。

このサイトの為末さんからのメッセージで、トップアスリートの本音、苦心を、私のような人間でも推し量ることが出来ています。
間違いなく、私だったら耐えることの出来ない重圧。批判も全部を流すことは出来なかったことでしょう。想像だけでぞっとします。
そんな中で戦い続けている為末さんやトップアスリートの皆様全員を尊敬せずには居られません。

為末さん、私は、たとえこの先、あなたが若い選手に負けるようなことがあっても、ボロボロになって勝てなくなってしまってからも選手として走り続けていたとしても、決して批判なんて出来やしません。

為末さんの戦い続ける様を、最後まで陰ながら応援させていただきたいと思っております。

投稿者: まさと (Feb 20, 2010 11:45:35 PM)

私は去年の4月入社の普通の社会人ですが、この1年やはり人から嫌われたくなくて守りに入っていたように感じています。

今年は後輩もできるかもしれませんし、1年間思ってきたことを少しずつ言葉にしたり自分をもっと出していきたいなぁと思いました。

投稿者: ぱる (Feb 21, 2010 12:13:02 AM)

また今日も勉強になりました。
最近、会社を変えるためには自分が変わらなきゃと行動して、以前より嫌われるようになりました。
でも今日、これを読んで、自分の人生、信じる道を進んで行こうと思います。

投稿者: ちぇーさん (Feb 21, 2010 1:22:18 AM)

勇気づけられました。ありがとうございます。 他人に攻撃しなきゃ気が済まない人が減ればいいと思います。

投稿者: 志保 (Mar 8, 2010 2:32:38 AM)

脳科学では最近「興味を示さなくなると脳の活動が活発ではなくなる」とのことですが。

他人の人生には「あまり興味ない」けれども、自分の人生には「ものすごく興味がある」という態度で・・・。仏教の「赤心」は、確か幼子のような好奇心という意味だったようですが、脳の若さを保つ秘けつなのかもしれません。

投稿者: falco (Jun 2, 2010 1:20:11 AM)

この間のテレビ番組のトークで、あの中田英寿さんでさえ、
『周りを気にして自分を殺して合わせて過ぎた。それを後悔している』とおっしゃってましたよね。
リーダーシップを発揮した世界トップクラスの傑出した選手ですら、そういう反省をされているのですものね。
注目を浴びるのは超一流の証ですよね。
大変だと思いますが頑張ってください。
応援しています。

投稿者: はてなようせい (Jun 7, 2010 9:39:31 PM)

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