中国地震:死者617人 10万人避難、当局は報道規制も

2010年4月15日 11時20分 更新:4月15日 13時15分

中国青海省玉樹チベット族自治州で14日発生した地震で、被災者の救出作業にあたる兵士ら=AP
中国青海省玉樹チベット族自治州で14日発生した地震で、被災者の救出作業にあたる兵士ら=AP

 【西寧(中国青海省)米村耕一】中国青海省玉樹チベット族自治州で14日発生したマグニチュード(M)7.1の地震で、死者数は15日午前までにさらに増えて617人となった。行方不明者は313人で、負傷者9110人のうち970人が重傷という。新華社通信が伝えた。約1万5000戸の住宅が倒壊し、約10万人が避難生活を強いられている。一方、中国の主要メディアは08年5月の四川大地震の際に比べて抑制的に報じており、分離独立運動を抱えるチベット族居住地域の安定維持のため、当局が報道を規制している模様だ。

 地震発生から丸1日が経過した被災地には、軍や武装警察、消防など約5000人の救援部隊が空路や陸路で到着している。ただ、震源に近い同州の中心都市、玉樹県までは省都の西寧から車で約12時間かかるため、救出活動に必要な大型機材の搬入は遅れ、今も多数の住民ががれきの下敷きになっていることから、被害はさらに膨らむとみられている。

 中国のネット上には、血を流している被災者や点滴を掲げたまま道路に横たわる人々の姿など救援活動の遅れを意識させる映像が流れている。これに対し、中国中央テレビは救援活動の模様や現地入りしている回良玉副首相の視察に多くの時間を割き、現場からの生中継を続けた四川大地震の際の報道とは一線を画している。15日付の主要紙も新華社通信が配信した記事が目立つ扱いになっている。

 地元メディアによると、青海省当局も省内のメディアに対し、娯楽放送を中止し、救援活動を中心にした宣伝に力を入れるように指示した。省外の地方メディアが被災地に入ることを規制しているとの情報もあり、チベット族被災者の不満が伝えられることを当局が警戒しているとみられる。

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