名張市は7月から、市民が市内(伊賀市旧青山町地区を含む)の開業医(名賀医師会会員)に救急搬送された場合、開業医に一定の金額を補助する「開業医救急車受入支援補助金」を始める方針を固めた。今年度は300万円を3日に発表した一般会計補正予算案に計上しており、6月定例市議会で可決されれば、来月1日から運用を始める。市地域医療室によると、同様の取り組みは県内で初めて。
伊賀地域の医師不足により、救急の輪番病院で患者を受け入れられなかったり、搬送に時間がかかることがあるため、軽症患者を市内で早く確実に診察するため。昨年度は月平均約28件の開業医への救急搬送があった。一般会計補正予算案では、月平均約45件を見込んで予算化したという。
補助額は時間や曜日によって異なり、1件につき1万円または5000円。同会会員は53医療機関あるが、救急隊員らが対応可能な医院に要請したり、患者のかかりつけ医に搬送したりする。
来年度以降も継続予定。同室は「伊賀地域の救急医療体制が整うまで続けなければならない」と話した。【宮地佳那子】
〔伊賀版〕
毎日新聞 2010年6月5日 地方版