【社会】「松阪牛」の陳情で対立 三重・松阪市長と民主県連戦略局2010年6月5日 17時02分 高級和牛「松阪牛」のブランド保護問題などでの国への要望をめぐり、三重県松阪市の山中光茂市長と、地方の要望を取りまとめる民主党県連地域戦略局との対立が表面化している。参院選でみんなの党を支援する市長と、民主党との政治的なもつれが原因だ。 松阪市は2006年、偽ブランド大国の中国で“偽松阪肉”が出回るのを恐れ「松阪牛」の商標を申請。しかし、既に「松阪」と牛の絵を組み合わせた類似商標が登録済みという理由で、中国当局は申請を4月に却下した。 市は農林水産省などに外交的な対応を促すため、地域戦略局に担当部局と面談する機会を設けるよう頼んだが、松阪市を担当する党支部は、子ども手当などの政策を批判してきた市長に不快感を示して拒否した。 市長は取材に「政治的な話と切り離すべき問題だが、政治上の兼ね合いで受け付けないと言われた」と憤る。やむを得ず口蹄(こうてい)疫対策と併せ、7日に野党の自民党とみんなの党に市側の要望を伝えることにした。県連地域戦略局長の森本哲生衆院議員は「肥育農家の要望は受け入れる」とした上で、「参院選でみんなの党を応援する市長が『民主が要望を受け入れない』と批判する材料にしているにすぎない」と反論している。 とばっちりを受ける形の松阪牛肥育農家は「どっちが正しいかは別として、一丸となって進まなければならないのに」とため息をついている。 (中日新聞)
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