宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5日、人類初の小惑星の岩石採取に挑んだ探査機「はやぶさ」が、落下目標地点のオーストラリア南部・ウーメラ砂漠に達する軌道に入ったと発表した。13日深夜の帰還が確定し、7年に及んだ小惑星イトカワへの往復飛行を達成することになった。
JAXAによると、豪州政府の許可が出たため、3日からエンジン噴射を実施。5日午後、予定軌道に到達し、地球から約360万キロを飛行している。9日、落下範囲をさらに狭める最終の軌道修正をする。13日午後11時ごろ(日本時間)、はやぶさと、切り離されたカプセルが大気圏に突入、カプセルだけが約1時間後に落下し、はやぶさ本体は燃え尽きる。
カプセル回収に成功し、中にイトカワの岩石などが入っていれば、人類初の快挙となる。
川口淳一郎・はやぶさプロジェクトマネジャーは「地球帰還が決まり感無量だ。往復飛行という大きな目標が達成できたのは、はやぶさ自体に助けられたようにも思える。カプセル回収も、ぜひやりとげたい」と話した。【永山悦子】
毎日新聞 2010年6月6日 東京朝刊