今年5月に両国国技館(東京都墨田区)で開催された大相撲夏場所(5月9〜23日)で、指定暴力団住吉会系組長が一般販売されていない土俵近くの「維持員席」と呼ばれる特別席で観戦していたことが6日、警視庁や日本相撲協会への取材で分かった。暴力団関係者の維持員席での観戦は、昨年7月の名古屋場所と今年1月の初場所でも確認されている。
警視庁は、入場券を販売している「相撲案内所」に後援者らが譲渡した入場券が、複数の関係者を経て組長に渡ったか、相撲案内所を介さずに渡った可能性もあるとみて、経緯を調べている。
暴力団関係者の観戦をめぐっては、相撲協会は5月27日、名古屋場所で維持員席の入場券を手配した木瀬親方(元幕内肥後ノ海)を2階級の降格とし、木瀬部屋を事実上の閉鎖とするなど重い処分を下している。
協会理事の陸奥警備本部長(元大関霧島)は「組長が座った席を持っている維持員が判明すれば、席を取り上げるなど処分の可能性もある」と話している。
(2010年6月6日)