田原:なんでですか? どうして新聞記者とかテレビの記者は手を挙げないんですか?
上杉:はっきり言って、質問力がないからですね。
田原:質問力ない人を会見によこしてるわけ? 新聞やテレビは。
上杉:何十年も記者クラブ型の質問をされてきたと思うんですよ。事前に幹事社が集めて、こうしましょう、政局がらみでも。そうすると事前に用意した質問なんですよね。例えば、今日、あるテレビ局が世論調査をしたところ、支持率が十何%に低下しました。どう受け止めますかと質問するんです。それって質問するほうが頭使わないんですよ。
フリーはなんで何回も質問するかというと、さっき言ったように、チェーンクエスチョンと言って、僕が知る権利、情報公開を質問する、樽床さんの答えが不満足だとなった瞬間に、別に打合せも何もしてないんですけど、不満足だと思ったら、次に田中龍作さんが質問するんです。
そこでまだ不満足だと思ったら畠山さんが質問するんです。他にも手は挙げてます。
田原:なるほど、連携プレーしてるわけだ。
上杉:そうですね、自然に。
Twitterが怖くて質問できない記者
田原:ところが新聞社やテレビ局は連携プレーをしてない。
上杉:してないどころか、これは傾向として見られたんですけど、例えば「日本テレビです。普天間問題をどう思われますか?」と聞くわけです。カメラ回ると。次、「TBSの誰々です。普天間の問題・・・」って同じ質問するわけですね。
どうしてかというと夕方のニュースで自分の社のアナウンサーとか記者が質問した絵を使いたいがために、繰り返し聞くんです。
田原:ああ、国民なんてどうでもいいんだ。
上杉:自分の番組のためなんですよ。新聞記者は比較的ないんですけど、質問者を(紙面に)書かないからでしょう。要するにメンツなんですよね。
それだと、「あ、この人ごまかしたな、じゃあこうやってかぶせてやろう」という訓練がたぶんできなくなる。傾向として、今そういう質問するとTwitterとかUstleamで、記者は晒されてる時代ですから、匿名性の時代と違って攻撃されるんですよ。「この記者はなんてくだらない質問をするんだ」と、ニコニコ動画なんかで。
そうすると手を挙げなくなっちゃうんですよ。だから、繰り返し繰り返しフリーばっかり当たっちゃうんです。
田原:手挙げないの?
上杉:人数は少ないのに、なぜ多く当たるかというと、みんな挙げてるからです。
田原:新聞記者やテレビの記者は、手を挙げないのに、なんのために来てるんですか? 挙げないってことは何もしゃべんないってことでしょう?
上杉:まあ、前のほうにいる番記者は挙げるんですよ。それは政局的な、先ほど山岡(賢次)さんと会ったけどどうなんですか、とか、国民の生活とあまり関係ない、いわゆる政局の質問をするんです。それ以外は何を質問していいか、わからないのか、基本的に手を挙げないんです。
田原:Twitterなんかが怖いから挙げないと。
上杉:へんな質問できないし、かといって・・・
田原:勉強もしてない?
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